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【主張】五輪マラソン 札幌変更もやむをえまい

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国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪のマラソンと競歩を札幌開催に変更する。

 

IOCのバッハ会長は「選手の健康は常に懸案事項。変更は懸念を深刻に受け止めている証左だ」とコメントした。

 

国際陸連のコー会長も「選手に最高の舞台を用意することは重要。最高のコースを用意するためにIOCや組織委員会などと緊密に連携していく」と述べた。

 

寝耳に水の開催都市、東京では小池百合子都知事が「唐突な形で発表され、このような進め方は大きな課題を残す」と動揺を隠さなかったが、IOC幹部らの発言を聞く限り事実上の決定である。

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組織委も受け入れる意向だ。選手の健康問題が前面に打ち出されては強硬な反対もできまい。

 

それほどに、昨今の東京の夏は暑い。札幌の夏も暑いが、平均気温も湿度も東京より低めだ。夏のマラソンの開催実績もある。

 

東京と同様に高温多湿のカタール・ドーハで6日に閉幕した世界陸上では女子マラソンで68人中28人が棄権、男子50キロ競歩では46人中28人しかゴールできなかった。この結果がIOCを動かした。

 

大会まで1年を切った中での変更だ。コースの設定や選手、関係者の宿舎、移動手段の準備、沿道警備や発売済みの観戦チケットの取り扱い、運営予算など解決に急を要する課題は山積している。

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これまで準備に奔走してきた東京側の無念は察するが、変更もやむなしと、札幌での実施に向けて邁進(まいしん)するしかあるまい。

 

ただし、開催都市東京や組織委に諮ることなく、重大な変更案を突然発表したIOCの独善ぶりには不快感が残る。もっとていねいな運営を心がけてほしい。

 

マラソンは五輪の花形競技である。競歩は世界陸上でも金メダルを獲得した日本の有力種目だ。

 

前回東京五輪ではマラソンの円谷幸吉の銅メダルで国立競技場に日の丸が揚がった。新国立競技場のメインポールに日の丸がはためく光景は、国民の夢である。

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五輪が都市開催であることの意義は世界中のさまざまな種目の競技者が一堂に会することにある。そうした理想や夢をないがしろにする変更でもある。

 

事前に何の相談もなく上意下達で実施を迫るIOCのやり方には、組織委員会として、きちんと抗議すべきである。

 

 

この記事の英文記事を読む

 

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