【主張】香港デモ 日本は人権守る側に立て

 

香港の人々の自由や人権を守るため、日本の政府や国会が行動すべきときにきている。

 

香港で12日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求め数万人の若者が集まった。

 

香港警察は彼らを「暴徒」と呼び、催涙弾やゴム弾を使って強制排除した。70人以上の若者らが負傷した。極めて残念な事態である。

 

9日には、改正案撤回を求める市民103万人の大規模デモがあった。それでも香港特別行政区政府は撤回しない構えだ。

 

イラン訪問中の河野太郎外相は13日、ツイッターで、多くの負傷者が出たことに「心を痛め」ており、平和的な話し合いで「香港の自由と民主が維持されることを強く期待」すると表明した。

 

これでは不十分である。

 

刑事犯に限らず、中国共産党に批判的な人物が中国本土へ公然と連行されかねない。日本人を含む外国人も対象になり得る。

 

中国に「法の支配」はない。天安門事件の過ちを認めない共産党や当局による恣意(しい)的な法律の運用、処罰が罷(まか)り通っている。

 

米国務省は、改正案に「重大な懸念」を表明した。カナダ外相は、「香港在住の大勢のカナダ人に与え得る影響を懸念」すると声明を発した。

 

安倍晋三政権は価値観外交を掲げてきた。曖昧な姿勢ではなく、国際世論を喚起する先頭に立つときである。

 

安倍首相や河野外相は、改正案への強い懸念と、撤回を求める香港市民に連帯を表明すべきだ。国会、各政党は決議などにより、香港の立法会(議会)に廃案を促したらどうか。これらは内政干渉に当たらない。自由や人権にかかわる問題提起である。

 

「司法の独立」を差し出すような改正案成立をはかる香港政府に、中国政府の影響力が及んでいるのは明らかだ。

 

習近平中国国家主席が20カ国・地域首脳会議(G20サミット)のため来日する。中国には、最高指導者である習氏の日本訪問を是が非でも成功させねばならない思いがあろう。

 

イラン訪問で世界的に存在感を示した安倍首相である。この中国の事情を逆手にとればいい。G20サミットに伴う各種会談で香港問題を取り上げると表明し、習政権に翻意を強く促すべきである。

 

 

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