瑞穂の国の原風景:ご飯、お酒、お菓子…日本の暮らしをつくるお米

 

 

日本は米の国である。

 

白米を炊いた“ごはん”が食の基本、呼び方も飯(めし)に御(ご)と敬語をつけて呼ぶほど大切にしているが、SAKEは米を醸造したアルコールであるし、神社ではお神酒(みき)として神に捧げている。寿司は勿論米であるし、想像して貰えば焼いた魚や天婦羅、お吸い物、漬物、みんな白いご飯とセットになって美味しく食べられるのである。ご飯を握ったおにぎりはコンビニエンスストアでも超人気・定番商品である。

 

日本の菓子は米が原料のものが多いが、中でも餅菓子はその名の通り、餅米という原料を使用している。普通の菓子屋は当然米を仕入れるのだが、200年以上続く江戸の菓子屋(京都の菓子とは違う)の榮太樓総本舗は、社員がもち米作りに参加する稀有な活動をしている。

 

春の恒例行事、「田植え」を取材させて貰った。有機栽培の農家集団の指導で作業は進むが、このような超アナログな作業は近代化が進んだ日本では滅多に見かけない風景である。通りがかりの人は珍しそうに眺めていく。

 

水を張った田圃に入り、足を取られながら慣れない作業は大変であるが、普段は開発や店頭販売、営業などの菓子屋社員が、自社製品の基本、米が作られる現場を知るのは本当に大切で、この経験を顧客に伝えられるし、更に愛情をこめた仕事の進め方になるそうである。

 

ゲストとして百貨店の社員も共に汗を流したが、現場での実体験から得られるものは大きいし、素敵な人間関係が出来るのが最大の効果である。指導している農家にとっても、自分達の作った米が職人の手で美味しい菓子になり、それを食べる顧客のとびっきりの笑顔が見られる、そんな貴重な関係が出来ているのである。

 

こういう体験で出来る菓子は益々おいしくなるし、最後は顧客の笑顔に繋がる。入社したばかり社員は目を輝かせて田植えしているし、親についてきた社員の子供達も泥だらけになって騒ぐ、昔ながらの日本的な風景が田植えと共に広がっている。

 

米作り、今後雑草取りが数回、田圃は稲の成長につれ景色が変わっていくが、黄金色に染まる秋には美味しいもち米の収穫。そして・・・新米で作る餅菓子が待っている。

 

 

著者: 渡辺幸裕(ギリークラブ代表)

 

 

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Yukihiro Watanabe

Author:

Yukihiro Watanabe, JAPAN Forward advisor, is the organizer of Gillie Club, a members-only club that offers a platform for cultural and social exchange and interactions among people with similar interests. He is also chief editor of Labunraku, a web portal supporting the traditional form of Japanese puppet theatre, Bunraku; a producer of events for novice Japanese culture enthusiasts; a visiting professor at Tama University Research Institute; and also serves as executive director for Ryori Volunteer No Kai (Food Volunteer Group), a foundation where member chefs visit disaster areas in Japan and serve food.  

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