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日韓関係を蝕む「反日種族主義」

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日韓両国でベストセラーとなっている『反日種族主義』(文藝春秋)の著者で、元ソウル大学経済学部教授の李栄薫氏と対談した。

 

李氏の言う反日種族主義とは、歴史の事実、合理的思想、理性のいずれとも無関係の幻想を指す。韓国人は、国として、社会として、民族として、問題に直面する度に、諸悪の根源は日本であり、日本ゆえに朝鮮民族の苦難が生じると考え、日本非難を強めることで自己満足して、その先を考えないという。このような知的怠惰が歴史認識にとどまらず、経済、政治においても両国関係を蝕んできた。

 

あらゆる合理的思考を停止させる反日種族主義を克服できないとしたら、大韓民国の未来は暗い。李氏は「亡国の予感」の中で本書を書いた。

 

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「嘘の国」を告発した愛国の徒

 

それだけに本書の内容は驚く程率直である。韓国を「嘘の国」とし「嘘をつく国民」「嘘をつく政治」「嘘つきの学問」「嘘の裁判」と批判している。韓国よ目覚めよ、国民よ頭を使えという、学究の徒としての心の叫びである。氏が慰安婦は強制連行でも性奴隷でもない、朝鮮人戦時労働者たちは労働に見合った給料を支払われており、給料は当時の軍人、教師、会社員、銀行員らの2倍、3倍、4倍であったことなどを詳述したのは、歴史学者としての研究に加え、祖国に対する深い愛ゆえである。

 

日韓関係が破綻の間際まで悪化した直接の原因は、昨年10月の韓国大法院(最高裁判所)による日韓請求権協定の否定である。朝鮮人戦時労働者問題は1965年に完全かつ最終的に解決されている。にも拘わらず、反日種族主義ゆえに事実を認識できない大法院は、両国間の合意を全否定して、日本企業に慰謝料支払いを求めた。

 

同件について李氏が質問した。

 

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「韓国には12月にも、現在差し押さえている日本企業の資産を韓国の年金資金に組み入れる、つまり現金化する動きがある。そのとき日本側はどう対応しますか」

 

国基研も私自身も日本政府を代表する立場にはない。だが私は、日本国民の総意は日本企業の資産が現金化された途端、日本企業を守るために日本国政府は報復措置をとるべしというものだと答えた。

 

「是非そうしてほしい。韓国の政府も国民も、自分たちのやり様は道理に合わず国際社会に通用しないことを認識すべきなのです」と、李氏は冷静に反応した。

 

 

毅然とした日本が友好を築く

 

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氏の言葉は日本に対する警告でもあろう。年来、無理難題であろうとも不条理であろうとも、日本は韓国の要求を贖罪意識から受け入れ、妥協してきた。それが反日種族主義を横行させる土壌ともなったはずだ。半分の責任は日本にある。だからこそ、李氏らの問題提起が実を結ぶよう、日本も悪しき慣行に逆戻りせずに、毅然とした態度で、真に友好的な関係構築に力を尽くすときだ。

 

筆者:櫻井よしこ(国基研理事長)

 

 

国家基本問題研究所(JINF)「今週の直言」第636回・特別版(2019年11月25日付)を転載しています。

この記事の英文記事を読む

 

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