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竹島絵本を世界へ 英語版の出版にクラウドファンディング

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日本固有の領土にもかかわらず韓国による不法占拠が続く竹島(島根県隠岐の島町)。隠岐地域の漁業者らが漁場としていた竹島を伝える絵本「メチのいた島」の英語版を出版しようと、作者の杉原由美子さん(76)=隠岐の島町久見=が25日、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを始める。国内外の大使館などに英訳した絵本を贈り、隠岐の人たちの思いを伝える。

 

「メチ」はアシカを指す方言。杉原さんが育った同町久見地区は、かつて竹島で漁を営む人々の拠点だった。杉原さんの祖父、八幡長四郎さんは戦前、竹島でアシカ猟を手がけた「竹島漁猟合資会社」の代表。「竹島の漁業が再び日本人の手に返るときが来たら、必ず残る者の手で、竹島を乱獲から守るため漁業権を獲得してほしい」との遺言を残し、昭和24年に亡くなった。

 

杉原さんは東京で小学校教諭を務め、平成20年に帰郷。絵本制作は久見地区の漁業関係者から竹島での漁業について話を聞いたのがきっかけだった。竹島で再び漁をしたいという漁業者の思いに心を動かされた。

 

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地域の高齢者20人以上に聞き取り調査し、作画を地元出身のデザイナーに依頼して25年1月、「メチのいた島」を自費出版した。島根県のほか、東京都や神奈川県の小学校にも出かけ、読み聞かせはすでに80回を超えた。こうした努力が認められ、28年に政府が絵本の電子書籍を全国の小中学校約3万2千校に配布した。

 

 

児童の一言で

 

絵本の英語版は、読み聞かせで出会った児童に「英語と韓国語の絵本をつくればいいのに」といわれてからの夢。大分県の通訳案内士が英訳を引き受け、26年に絵本に英訳を添えて当時のキャロライン・ケネディ駐日米国大使に寄贈すると、「大使館職員や来訪者で共有したい」と書かれた礼状が届いた。

 

「それからずっと英語版のことが頭にあった」と杉原さん。自身の年齢などを考え、英語版の出版を決意した。動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じ、協力を呼びかけている。

 

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クラウドファンディングの目標額は250万円。英語版を約800冊制作し、大使館やインターナショナルスクール、プレスセンターに寄贈する。すでに町内の企業や県外の高校生から寄付の申し出が寄せられ、地元有志も支援する。

 

 

「新しい試み」

 

隠岐の島町議の西尾幸太郎さん(43)は「協力の輪が広がっていると感じる。これまで国と国との問題だと思っていた人も、新しい試みに心を動かされるのではないか」と語る。

 

杉原さんは「世界の人に竹島を知ってほしい。クラウドファンディングを通じ、若い人たちに関心をもってもらえれば」と話す。

 

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「波の向こうで日本の竹島が、きょうも私たちを待っています」。絵本はそんなメッセージで締めくくられている。

 

筆者:坂田弘幸(産経新聞)

 

 

竹島
島根県・隠岐諸島の北西約158キロ、韓国・鬱陵島の南東約88キロに位置し、東西2つの島と岩礁からなる。総面積は約0・2平方キロ。日本と韓国が領有権を主張し、韓国名は独島。日本は1905(明治38)年の閣議決定により島根県に編入した。韓国は52年に沿岸水域の主権を示す「李承晩ライン」を設定し、54年から警備隊を常駐させている。

 

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