5月26日、ニューデリーで、「クアッド」外相会合に臨んだ(左から)オーストラリアのウォン外相、インドのジャイシャンカル外相、茂木敏充外相、ルビオ米国務長官(ロイター)
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高市早苗首相の外交は安倍晋三元首相の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の強化版を基本とする。今、FOIPの基軸である日米豪印の協力体制、クアッドが揺らいでいる。
5月26日、インドで開催されたクアッド外相会合に出席した茂木敏充外相は日本にとって極めて重要なクアッド首脳会合が第2次トランプ政権以降、開催されていないと懸念する。原因はトランプ米大統領による対印高関税政策などによる米印関係の冷却に加えて、トランプ氏の対中戦略の変化があると、インドの戦略家、ブラーマ・チェラニー氏が警告する。
5月中旬の米中首脳会談で両国は戦略的安定を求めることで合意し、米国の対中政策は融和的に傾いた。ヘグセス米国防長官は5月30日、シンガポールでのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)でセオドア・ルーズベルト元大統領の言葉を引用し、「優しい声で、大きな棍棒(こんぼう)を手に」外交を展開すると宣言した。その上で「米国は太平洋国家だ。潜在的敵対者はわれわれのハードパワー、集団的即応態勢、揺るぎない決意を見てわれわれの力を認めざるを得ないだろう。米国の太平洋戦略は第1列島線上に『拒否による抑止』を築くことだ」との趣旨を語りつつも、あからさまな対中非難は避けた。
筆者:櫻井よしこ(ジャーナリスト)
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2026年6月1日付産経新聞【美しき勁き国へ】より
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