国民大集会で被害者救出を求めて気勢を上げる被害者家族ら=2024年11月、東京都千代田区(岩崎叶汰撮影)
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3月19日(現地時間)の日米首脳会談で、北朝鮮による拉致問題が議題になった。高市早苗首相は会談終了後、「トランプ米大統領から、拉致問題の即時解決に向けて全面的な支持を得た。私自身が金正恩(キム・ジョンウン)氏と直接会うという気持ちが非常に強いことも、伝えた」と記者団に説明。「いろいろ協力をしていただけるということだった」と成果を強調した。
思い返せば高市氏は1月、衆議院の解散理由として真っ先に拉致問題を挙げた。正恩氏と向き合って具体的な成果を上げたいという自身の思いに対し、国民の審判を仰ぐ必要があると判断した。その選挙で歴史的な大勝を収め、強い政治家を好むトランプ氏も高市氏の実力を認めた。
今回の日米会談でトランプ氏は、高市氏の思いにこれまで以上にしっかりと耳を傾けたに違いない。ここまでは、高市氏のシナリオ通りだ。

あとは、トランプ氏が米中首脳会談と機を合わせて正恩氏との会談に臨み、北朝鮮の非核化を巡って一定の合意に至れば、その分の経済支援の実施国である日本との日朝首脳会談が現実味を帯びてくるはずだった。
だが周知の通り、中東情勢の緊迫化により、表立った動きは止まってしまった。
イラン攻撃に怯える正恩氏、アメリカの情報収集へ組織改編
2月28日に始まった米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に関し、正恩氏は「自分も狙われるかもしれない」と恐怖を覚えている。米朝会談のための準備を停止し、妹で実質ナンバー2の与正(ヨジョン)朝鮮労働党部長を責任者として、米国が北朝鮮を攻撃してくる兆候がないか徹底的に情報を集めている。
筆者:西岡力(拉致被害者支援組織「救う会」会長、麗澤大特任教授)
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2026年4月1日付産経新聞【拉致問題の現場から】より
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