米国は独立記念日の7月4日、建国250年を迎えた。トランプ大統領は演説で、米国を「新たなレベル」に引き上げると語った。
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米建国250年を祝うイベントで演説するトランプ大統領=7月4日、ワシントン(AP=共同)

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米国は独立記念日の7月4日、建国250年を迎えた。

トランプ大統領は演説で「米国は世界の希望や栄光であり続けた」とし、米国を「新たなレベル」に引き上げると語った。「米国に共産主義者は不要だ」とも述べた。

理想と現実の間で葛藤を繰り返しながらも前進する決意を示したものだ。世界が混迷を深める今こそ、自由と民主主義を奉じる超大国として役割を果たしてもらいたい。

トランプ氏がたたえた独立宣言は「全ての人間は平等で、生命、自由、幸福追求の権利を持つ」と謳(うた)い、近代民主主義に大きな影響を与えた。

米国は20世紀、2度の大戦を経て、民主主義や法の支配、自由貿易に基づく国際秩序の形成を主導し、世界の繁栄と安定を支える灯台の役目を担った。東西冷戦期に日本や西欧諸国を牽引(けんいん)し、共産主義陣営の盟主ソ連を崩壊に追い込んだ。その歴史的役割は高く評価できる。

だが米国は今、深刻な分断にあえいでいる。経済格差や多様性、移民政策を巡る対立や衝突が絶えない。米社会に内在する矛盾がトランプ氏を生み出した側面もあろう。

米国は国際秩序を支える役割を縮小している。国際機関から脱退し、国連への支払いも滞る。昨年発表の国家安全保障戦略では、米国が世界秩序を支える時代の終焉(しゅうえん)を宣言した。

そうした中、専制国家群が力による現状変更を図る憂慮すべき事態が生じている。とりわけ中国は経済力や軍事力を振りかざし、国際秩序を自国有利に作り替えようとしている。

米国には共和、民主両党派を通し対中警戒論がある。ただし、東西冷戦期のように米国ばかりが多くの責任を負うことを避けたい空気が広がっている。そこで、同盟国や同志国に責任分担を求めている。

米国は時折、誤算に直面する。トランプ氏の関税政策には各国が反発した。イラン戦争の余波も続く。だが、米国が世界への関与を求められる現実は変わらない。先の大戦で日本は米国と激しく戦い、敗れた。戦後は米国との同盟関係を選び、国家安全保障を担保してきた。今は、中国などの脅威を前に、同盟を強化し、米国とともに世界の平和と安定を守っていくべき時代である。

2026年7月6日付産経新聞【主張】を転載しています

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