桜が見頃を迎え、市民や観光客でにぎわう大宰府政庁跡=4月2日、福岡県太宰府市(一居真由子撮影)
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今年も桜が見頃を迎える中、各地の花見スポットでは、日本に定住する外国人の増加やオーバーツーリズム(観光公害)を背景に、迷惑行為が課題となっている。福岡県太宰府市では、中国語で騒ぐ団体の振る舞いに市民が苦情を訴えるも、団体側は「歌って踊るのが中国の花見」などと反論。ルール違反の横行から花見イベントを中止した自治体もあり、花見シーズンに住民が負担を強いられる現状が浮き彫りとなっている。
コンロや鍋を持参
3月30日、太宰府市の花見スポット「大宰府政庁跡」に、中国語で大声を出す団体の姿があった。近くにいた市民の女性(46)によると、携帯電話で音楽を鳴らしながら女性たちが踊り、その様子を仲間が撮影。一帯は火の使用が禁止されているが、カセットコンロや鍋を持ち込んでいた。
大宰府政庁跡は国の特別史跡に指定され、市民の憩いの場となっている。この日も多数の市民が訪れており、団体の周囲には赤ちゃん含めて幼い子供を連れた親子がたくさんいた。あまりの騒がしさに「やめてほしい」という声が出ており、見かねた女性が市役所に連絡。女性は「周囲の人はうるさいことを気にしていた。多文化共生といわれるが、日本人の静かな日常が荒らされているように感じた。自分たちさえよければいいというのは、日本では通用しない」と語った。
連絡を受けて駆け付けた市職員が指導し、コンロが使われることはなかったが、団体のメンバーは産経新聞の取材に「中国の花見は日本より派手。お酒を飲み、歌って踊ったりする」と話し、太極拳やカラオケを、花見ですることの例に挙げた。

メンバーは中国で生まれ、数十年前に来日。両親のどちらかが日本人だが、長年中国で暮らしてきたため「文化や習慣の違いにとまどう」といい、コンロを持参した理由については「中国の人は温かいものが好き。料理を温め直すつもりだったが、火が使えないとは知らなかった」と説明した。ただ、市はホームページなどで火の使用禁止を伝えており、団体のそばには「バーベキュー禁止」の看板があった。
生活に深刻な影響
観光客の迷惑行為を背景に、花見イベントが中止に追い込まれた例も。
山梨県富士吉田市は、例年春に開催する「新倉山浅間公園桜まつり」について、観光公害が地域住民の生活に深刻な影響を及ぼしているとして、今年の開催を中止した。
筆者:一居真由子(産経新聞)
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