中国で、またも日本人が拘束された。容疑の詳細は明らかにされていない。日本政府は拘束容疑の明示を求め、早期の釈放を迫るべきだ。
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A banner promoting national security hangs in a park in Shijiazhuang, Hebei Province, China (©Kyodo).

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中国で、またも日本人が拘束された。容疑の詳細は明らかにされていない。

近年、多くの日本人が中国で摘発され、裁判で実刑判決を受けている。中には恣意(しい)的な事件化が疑われるケースもあった。

日本政府は拘束容疑の明示を求め、早期の釈放を迫るべきだ。

遼寧省大連で5月、税関当局が日本人2人を拘束した。「国家輸出入禁止貨物密輸罪」に抵触した疑いがもたれている。

2人は電機大手、富士電機の社員で、中国が輸出管理を強化しているレアアース(希土類)関連の物品を持ち出そうとしたことが法令違反とみなされた可能性があるのだという。

中国は近年、レアアースの輸出規制などで各国に経済的威圧を繰り返している。そうした中で中国商務省は24日、レアアースなど重要鉱物の輸出規制に違反する行為に関し、通報を呼び掛ける公告を出した。実名での通報者には内容が事実なら報奨が与えられ、自主申告なら処分の軽減材料となる。

この措置と日本人2人の拘束は、一連の動きとみることが自然だろう。

また平成22年、尖閣諸島周辺で発生した漁船衝突事件で海上保安庁が中国人船長を逮捕した際には、中国の河北省で建設会社の日本人社員4人が軍事管理区域に侵入した疑いで拘束された。これには中国側の報復や取引材料との見方があった。船長を処分保留で釈放すると、日本人4人も解放された。

中国が2014年に反スパイ法を施行して以降、少なくとも日本人17人が拘束され、12人が実刑判決を受けている。反スパイ法は犯罪行為の定義が曖昧で恣意的な運用が可能である。

今回拘束された2人が抵触したとされる「国家輸出入禁止貨物密輸罪」についても、中国商務省は対日輸出規制で民生品は影響を受けないと説明するが、実際は一部の民生品貿易に支障が出ているのだという。

法の運用は中国当局のさじ加減次第ということになれば、対応は極めて難しい。

中国政府は台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に反発して今年1月、日本を標的に、レアアースなどの輸出規制を強化した。中国では、邦人拘束などの危険が今後も続くと覚悟しなくてはならない。

2026年6月26日付産経新聞【主張】を転載しています

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