会談を前に、ベトナムのレ・ミン・フン首相(右)と握手する高市首相=5月2日、ハノイ(共同)
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Trump Meeting with Xi Could Accelerate Japan's Indo-Pacific Strategy
(米中首脳が会談 日本のインド太平洋戦略加速も)
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米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席は、5月14、15の両日、北京で会談し、米中両国が「建設的戦略安定関係」を構築することなどで一致した。核武装する2つの軍事大国が対立を煽るのではなく、とりあえずは安定を模索しようというのは日本にも、世界にも決して悪いことではないだろう。
ただ、米国は2月末に始めたイラン戦争をどう終わらせるのか、中国が台湾統一のために武力を使った場合に世界はどうなるのか、答えは示さなかった。残念ながら、戦争が地上からなくなる時代が訪れることは当面なさそうだ。
しかも、ウクライナへの侵略戦争を4年以上続ける核大国、ロシアのプーチン大統領が19日、北京を訪問し、習主席と会談。中露関係の強化を図るものとみられる。大国同士が自らの利益を追求して勢力を競う時代に、日本のような中堅国家に何ができるのか。
英日バイリンガル・ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)はそんな問題意識に立ち、世界に発信を続けている。先週は、米中首脳会談や台湾有事に関する記事が多く読まれた。
上の英文(日本語の意味)は、その中でも最も読まれた記事の一つの見出しだ。JFのダニエル・マニング記者が、米中首脳会談について米インド太平洋安全保障研究所上級部長で、キヤノングローバル戦略研究所主任研究員を務める辰巳由紀氏にインタビューした。日本のインド太平洋戦略が今後、中国を念頭に一層進展することを予測した内容だ。
辰巳氏はその中で、トランプ氏がイランを交渉の席へ戻すため中国の圧力行使を必要とする場合、中国が無償で協力する可能性は低いとの見方を示した。台湾問題で中国側に譲歩するような姿勢を示せば、米国の信頼性に対する疑念が今後強まり、日本を含む周辺国は相互連携の深化を急ぐ公算が大きいという。
辰巳氏は「地域諸国に対し、『米国の代替ではないにせよ、中国に対抗する地域の指導的存在となり得る国はどこか』と問えば、答えはおそらく日本になるだろう」と指摘した。
実際に日本はフィリピンとの合同軍事演習をすでに実施したほか、防衛装備品の移転についても動き始めており、周辺諸国との連携強化は進んでいる。
マニング記者は「日本が目指すのは日米同盟の代替ではない。むしろ、周辺国との連携強化を通じて、同盟体制を補完し、地域全体の強靱性を高める安全保障ネットワークの構築だ」と締めくくった。
高市早苗首相が最近、ベトナム、オーストラリアを訪問した際も、議題は防衛協力だけにとどまらなかった。エネルギー安全保障や重要鉱物、強靱なサプライチェーン構築が主要テーマとなった。
高市首相は、ハノイのベトナム国家大学で演説し、安倍晋三首相(当時)が10年前に提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を進化させる意向を表明。AI・データ時代の経済エコシステムの構築や官民一体での経済フロンティアの共創とルールづくり、安全保障分野での連携拡充を挙げた。最後に、「自律した、強靱な国々同士が協力をし、それぞれの平和と繁栄の基盤となるFOIPを創っていきましょう」と呼びかけた。
強権と抑圧のモデルに未来はない。自由で開かれたアジアには、日本と共に平和に繁栄することができるポテンシャルがあるのだ。世界の未来は、アジアにあると言っても過言ではないだろう。JFは、そんな変わりゆくアジアの最前線を伝えていきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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2026年5月20日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています
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