種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット6号機=鹿児島県南種子町(伊藤壽一郎撮影)
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H3ロケットが半年前の失敗を乗り越え、打ち上げに成功した。種子島宇宙センターから、6月12日午前に打ち上げられた6号機は、機体と小型衛星を予定の軌道に投入した。
日本の宇宙開発を再び軌道に乗せる重要な一歩である。
昨年末に打ち上げた8号機は、衛星の搭載部が破損したことが原因で初号機以来の失敗となった。今回は補修などの対策を講じ再発を防いだ。信頼性とコスト削減を両立させ、着実に前進させなくてはならない。
主力ロケットであるH3の中断で日本は大型衛星を自律的に打ち上げられない状態が続いていた。産業振興や安全保障を担う衛星や探査機の打ち上げが今後控える中で、失敗から半年後という異例の早さで再開にこぎつけたことは朗報だ。
今回はH3で最も安価な新しい形態の機体を打ち上げた。側面に取り付ける補助ロケットを初めて使用せず、3基の主エンジンだけで飛行するタイプだ。打ち上げの際に技術的な難しさがあったが、無事に成功させ性能を実証した。
H3は国際競争力を高めるため、前身のH2Aと比べコスト半減を目指している。6号機の成功はこの戦略を実現する意味でも大きな成果といえる。
ただ、機体の信頼性を確立できたとはまだ言えない。飛行データを詳しく分析し、今回導入した対策の妥当性などをしっかり確認しなくてはならない。
4月に失敗原因を特定してから、2カ月弱という短期間で背景を十分に解明できたかも検証する必要がある。衛星搭載部の破損はコスト削減を目指して製造方法を変更した際の検査が不十分だったことで起きた。不具合を見落としていた構造的な要因を洗い出し、信頼性の一層の向上につなげるべきである。
新型ロケットが国際的な信用を得るには少なくとも20回程度の成功が必要とされる。H3の成功はまだ6回で、さらに成功を重ねることが不可欠だ。
H2Aは50回の打ち上げで失敗は1回と、世界最高水準の成功率を誇った。この実績を継承できるかが問われている。
国産ロケットは小型機のイプシロンも失敗や地上試験の事故が相次ぎ運用が中断している。開発にはスピード感も大事だが、地に足をつけた取り組みで確実に立て直してほしい。
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2026年6月13日付産経新聞【主張】を転載しています
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