日本の若者の声を世界に発信する「Ignite」。東日本大震災後、日米の協力と友情を基盤に誕生した「TOMODACHI イニシアチブ」の同窓生らが能登半島沖地震の被災地を視察、そこで感じた思いを綴ったエッセイを紹介します。
Ignite 47 Momoko Tsukada

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日本の若者の声を世界に発信する「Igite」の第47回は、東日本大震災をきっかけに誕生した日米の若者のリーダーを育成する日米の官民パートナーシップ「TOMODACHI イニシアチブ」の同窓生、小樽商科大学商学部1年(当時)、塚田桃子さんが、3月14と15の2日間、能登半島沖地震の被災地の視察プロジェクトを企画、参加した中で感じた思いを綴ったエッセイ「つながりを作る復興のかたち」を紹介する。

Momoka Tsukada
Momoka Tsukada (Provided by author)

つながりを作る復興のかたち

「もっとゆっくり復興したかった」―。 広報担当の能登を象徴する千枚田の復興に携わっている白米千枚田愛耕会の堂下真紀子さんの言葉は重かった。

これまで千枚田を管理、守ってきた地域住民は天候を鑑み、自然と対話をしてきた。しかし、行政は千枚田を早く使えるように重機を田に入れた。おかげで作業は早くなったが、人の手でしか作れない田の曲線の段差は直角になってしまった。

復興は誰のためにあり、どこに向かっているのか。このプログラムで考えさせられたことだ。地元自治体は早く元の状態に戻すことを望み、国は補助金を活用することを優先しようとし、地元住民は暮らしやすい生活を取り戻すことを考える。普段通りの生活を取り戻すというゴールは同じだが、互いの利益や優先したいことの差異が、少しずつ関係に溝を生んでしまう。震災の外にいる人間から見れば、つつがなく復興に向かっているように見えるが、地域住民にとっては文化の喪失と等しい。みんな同じ思いで同じゴールを目指しているはずなのに、まちに活気が戻らない。真の復興のあるべき姿を考えさせられた。

地震の影響で再開が難しい温泉旅館(塚田さん提供)

そして、「つながり」の大切さを強く感じた。このプログラムで出会った地域の方々や能登で活動している大学生は、人間同士の出会いや会話から生まれるコネクションを大事にし、そこから生まれる声を実現しようとしていた。

例えばそれは、祭りの開催やコワーキングスペースの設立だった。これは誰の気持ちも無視しない「復興」だった。復興は復旧ではないのだから、元に戻すだけの作業であってはならない。まちの活気を震災前と同等、あるいはそれ以上に生み出す、それが私がこのプログラムに参加して定義した「復興」だ。

私は2022年のTOMODACHI Toshizo Watanabe Leadership Programに参加し、ロサンゼルスに11日間滞在した。そこで、日系アメリカ人と日本人のコミュニティのつながりを学んだ。TOMODACHIのプログラムは、東日本大震災の支援のために、日米のつながりから生まれたものだ。私もインプットするだけでなく、つながりを紡いでいく側になりたいと考えるようになった。

地元では、北海道地域のアラムナイコミュニティとつながり、昨年はTOMODACHI Leadership Academy 2.0で初めて東日本大震災の復興の現場を訪れ、復興が以前の姿に戻すことではなく、新しい文化を創造することだと学んだ。私自身、2018年には、北海道全体が停電となった北海道胆振東部地震を経験した。

パネルディスカッションの様子(塚田さん提供)

残念ながら、北海道は全国最下位レベルのジェンダーギャップだ。このギャップを小さくすることを目標に、ウーマンエンパワーメントを自らの行動とキャリアの上で行いたいと考えている。それは人のつながりを通じ、「まちに新しい文化を創造し、誰の気持ちも無視せず、まちを今以上に活気づける」復興と似ていると思っている。

今後、北海道のアラムナイコミュニティに参加していない人たちに直接コンタクトを取り、TOMODACHI Alumni in Hokkaidoの輪への参加を促し、コミュニティを強化したい。復興の現場を訪れたことで、私自身がつながりを紡いでいく側になり、私を含めたアラムナイが成長し、アラムナイ同士で新しいものを創造していくために行動したいと考えている。

筆者:塚田桃子(つかだ・ももこ)
札幌市出身、小樽商科大学商学部1年
2022年、高校2年のときTOMODACHI Toshizo Watanabe Leadership Program に参加、ロサンゼルスに2週間留学。
2024年、小樽商科大のギャップイヤープログラムでオーストラリアに7カ月留学。

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