iPS細胞を使った2種類の再生医療製品が、製造販売の条件・期限付き承認を受け、国の機関で価格の議論が始まった。本承認を受けて一般医療として普及するには、有効性のデータ収集とコスト低減のハードルを越えなければならない。
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パナソニックホールディングスが開発したiPS細胞の作製工程を自動化する装置=4月20日、大阪市北区(渡辺大樹撮影)

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人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った2種類の再生医療製品が、製造販売の条件・期限付き承認を受け、国の機関で価格の議論が始まった。高度な技術を要する再生医療等製品は開発コストを踏まえて高額になる傾向があり、公的医療保険の適用対象となるかも焦点だ。本承認を受けて一般医療として普及するには、製品の有効性を示すデータの収集とコストの低減という2つのハードルを越えなければならない。

2製品は、大阪大発の新興企業クオリプスが開発した「リハート」と、製薬大手の住友ファーマが手掛けた「アムシェプリ」。

リハートの対象疾患は、心臓の筋肉の血管が衰えて機能が低下する「虚血性心筋症」による重症心不全。アムシェプリは運動機能に関わる脳内物質ドーパミンが減り、手足の震えや歩行障害などを起こす難病のパーキンソン病を治療する。いずれも根本的な治療への期待が高まっている。

臨床試験ではいずれも有効性が推定される結果が出た。「推定」というのは、移植を受けて効果を調べる症例数が限られているためで、リハートは8人、アムシェプリは6人だった。

生きた細胞から作る再生医療等製品は、品質管理が難しく、有効性を示す十分なデータを得るまでに時間がかかる。そのため有効性を推定できる段階で早期に承認し、患者にアクセスする仕組みとして、2014年11月施行の医薬品医療機器等法で条件付き承認制度が導入された。

2製品は現在、自動車免許でいえば「仮免許」の段階にある。7年以内にリハートは75人、アムシェプリは35人の症例を集め、本承認を申請する必要がある。再審査において、十分なデータをもって有効性を裏付けることができなければ、承認は失効する仕組みだ。

アムシェプリの製造販売承認を受け、記者会見に臨む住友ファーマの木村徹社長(右から2人目)ら=3月6日、大阪市中央区(土井繁孝撮影)

本承認の先例なし

導入から約11年。条件付き承認を受けた8製品のうち、本承認に至った例はない。今回とは別の2製品は十分なデータがそろわず失効した。

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筆者:清宮真一(産経新聞)

2026年5月7日産経ニュース【経済24時】より

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