表参道の根津美術館で「光琳派」展が始まった。毎年この時期に尾形光琳の燕子花図屏風が公開されるが、今年の目玉はクリーブランド美術館から里帰りした、光琳の弟子渡辺始興作の知られざる「燕子花図屏風」が並べて展示されていることだ。
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根津美術館の『光琳派』展で展示されている尾形光琳筆『燕子花図屏風』(渡辺幸裕撮影)

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東京表参道の根津美術館で「光琳派」展が始まった(5月10日迄、展示室内での撮影厳禁)。

毎年この時期に日本の国宝の一つ、尾形光琳の燕子花図屏風が公開されるが、今年の目玉は隣にクリーブランド美術館から里帰りした、光琳の弟子渡辺始興作の知られざる「燕子花図屏風」が並べて展示されていることである。

渡辺始興筆『燕子花図屏風』 クリーブランド美術館蔵(渡辺幸裕撮影)

この美術館の一番長い展示ケースにそれぞれ長い屏風絵が二つ並んで飾られている、それ以外は無いという大迫力である。両方とも金地に燕子花だけという一見双子の様だが、二人の絵師の描き方、表現法、全体レイアウトなどかなり異なる。それぞれ素晴らしい表現であり、それが一緒に見られる事など多分今後もない事であろう。

拡大した渡辺始興筆『燕子花図屏風』の一部(渡辺幸裕撮影)

クリーブランドでご覧になったアメリカの美術愛好家が、今回の根津美術館での並列展示を見たらさぞかし驚かれるだろうし、渡辺始興のこの燕子花図屏風を初めて見る日本人の愛好家(多分全員)も新鮮な驚きをもつだろう。

二つの異なる燕子花図屏風がそれぞれの国にあるという、日本とアメリカの美術交流もちょっと素敵な驚きがある。

尾形光琳筆(右)と渡辺始興筆(左)の『燕子花図屏風』が並べて展示されている(渡辺幸裕撮影)

美術館併設の庭園を歩いていると、ここは本当に東京かと思う静けさがあるが、そこの池に本物の燕子花が咲くのもこの季節だけである。実際に開花した後には、根津美術館のウェブサイトやSNSで紹介される予定だ。

桜だけではなく、季節の花を楽しむというのが、日本人が生活を楽しむ為の1つの特徴である。このように本物の花だけなく、美術品工芸品に見られる花でも季節を感じるというのは素敵なアイデアであり、皆さんもいろんな場所で感じ真似して頂きたい。

筆者:渡辺幸裕(ギリークラブ主宰)

観覧は原則、オンライン日時指定予約制です。予約は根津美術館公式サイトまで。

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