イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使(イスラエル大使館提供)
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駐日イスラエル大使のギラッド・コーヘン氏が離任を前に寄稿し、他者への敬意を持ち調和を尊ぶ「日本人が大切にする価値観」をたたえた。全文は以下の通り。
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約5年にわたる駐日イスラエル大使としての任務を終え、日本を離れる今、私の胸には深い感謝と誇り、そして名残惜しさが去来しています。着任以来、私が抱き続けた使命は、日本とイスラエルの友情を深め、両国民の絆を一層強固なものとすることでした。同時に、日本の魅力をイスラエルへ伝える大使でありたいとも願い、広報活動やSNSを通じ、日本の真の姿と、日本の皆さまが寄せてくださる友情を発信してきました。
私が在任した5年間は決して平穏ではありませんでした。新型コロナの世界的流行、2023年10月7日の凄惨(せいさん)なテロ事件とその後の戦争。未曽有の困難は交流にも影を落としました。しかし、日本政府は一貫してイスラエルの自衛権を支持し、テロ組織ハマスを非難、人質の即時解放を訴え、イランの核保有を認めない立場を明確にして、中東の安定を後押ししてきました。そしてイスラエルは、「アブラハム合意」などの枠組みを通して、地域協力の拡大を図り、中東の安定と繁栄構築に関与していきたいと考えています。

困難の中でも、両国関係は着実に前進しました。テルアビブ―東京間の直行便就航、経済連携協定(EPA)に向けた共同研究、ワーキングホリデー協定の締結、大阪・関西万博イスラエル館への多数の来場者、科学技術、医療、経済、安全保障など幅広い分野で協力は発展しました。民主主義、法の支配、イノベーションという価値を共有する両国は、これからも未来をともに築くパートナーであり続けると確信しています。
しかし、外交上の成果以上に何よりの宝物は、日本を第二の故郷と思えるほどの友情と、かけがえのない思い出たちです。日本アルプスでのスキー、沖縄や伊豆大島でのダイビング、富士山登頂、東京マラソン、大相撲観戦、直島のアート、そして世界に誇る食文化。その一つひとつが、日本への理解と愛着を育んでくれました。
何より感銘を受けたのは、日本人が大切にする価値観です。探求心、他者への敬意、調和を尊ぶ心、清潔さ、美しさ、そして安心して暮らせる社会。こうした日本ならではの精神こそが、多くのイスラエル人を惹きつける理由だと信じています。
外交官としての任務には終わりがあります。しかし、友情に終わりはありません。私は日本を離れます。それでも、心の一部はこれからもこの国にあり続けます。
本当にありがとうございました。皆様のことを、そしてこの美しい日本を、私は生涯忘れることはりません。
駐日イスラエル大使 ギラッド・コーヘン
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