外国人観光客でにぎわう東京・浅草
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政府が新たな観光立国推進基本計画を閣議決定した。令和8~12年度の5年間の推進計画となる。
12年に訪日客6000万人、訪日客の消費額15兆円とするこれまでの目標は据え置く一方、オーバーツーリズム(観光公害)対策の抜本的な強化を図るとした。
日本を訪れた外国人客は7年に初めて4000万人を超え、訪日客の消費額も約9兆5000億円と過去最高を更新し、「成長産業」として順調に拡大を続けている。ただ、観光客の集中による過度な混雑やマナー違反といった問題は年を追うごとに深刻になっている。
観光産業の拡大を進めることは日本経済の発展にも重要だが、住民生活を犠牲にした観光立国はあり得ない。オーバーツーリズムは訪日客の満足度低下にもつながる。観光産業の持続的成長のためにも、腰を据えて対策に取り組む5年間にしなければならない。
新計画では、地域住民らと協議してオーバーツーリズム対策に取り組む地域を現状の47カ所から、12年までに100カ所に倍増する方針を掲げた。
具体的な対策として、自家用車の流入抑制を目的に観光地周辺に駐車場を整備することや、人気観光地の入域管理や予約制の導入などを挙げた。私有地の無断立ち入り、ごみのポイ捨てといったマナー違反については地域の実情に応じ、取り締まりや啓発を強化するとした。

一方、訪日客6000万人の目標のうち、複数回日本を訪れるリピーターを4000万人にするとしている。
訪日客の宿泊先は依然として三大都市圏が67%を占めるが、リピーターは地方への訪問意欲が強いとされる。日本文化や習慣への理解も深く、適切なマナーでの滞在も期待できるだけに、リピーターを重視する目標を掲げたことはオーバーツーリズム対策としても適切だ。実現に向け、地方の魅力を効果的に発信するプロモーション活動をさらに充実してほしい。
中国からの渡航自粛やイラン情勢の緊迫化は観光産業にはマイナスとなろう。だが、こうした時期だからこそ、顕在化した課題への対策を着実に進めたい。多様な国・地域に日本ファンを広げ、再訪したいと思ってもらうことこそ観光立国の前提となる。
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2026年4月5日付産経新聞【主張】を転載しています
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