熊本地震の被災地では、住民たちが汗をぬぐいながら復旧作業に当たっている。避難所の設備の格差が問題視されており、格差解消が喫緊の課題となっている。
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多くの人が避難する熊本市大江公民館=7月29日、熊本市中央区(鴨志田拓海撮影)

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最高気温40度を超す「酷暑日」

熊本県の被災地では8月3日も気温が上昇し、熊本市内では、熊本市中央区で同日午後、最高気温40.3度を観測する「酷暑日」に。被災地では住民たちが汗をぬぐいながら復旧作業に当たった。先行きの見えない避難生活が続く中、避難所によって空調設備やベッドなどでの格差が生じ、待遇の劣る環境で暮らす被災者のストレスにもつながる。こうした現象はかつての災害でも問題視されており、災害関連死の防止に向け、格差解消が喫緊の課題となっている。

まとわりつく熱気、にじむ汗

まとわりつく熱気、にじむ汗。「日没が待ち遠しい」。八代(やつしろ)市立鏡小学校で避難生活を送る40代の会社員男性は疲弊した表情でこう漏らした。

避難した当初から「災害級の暑さ」に苦しんだ。身を置いた体育館は直射日光による室温上昇を防ぐためにカーテンが閉め切られ、蒸し風呂のような状態に。簡易ベッドなど寝具もなく体操用マットに横になったが、「暑さで汗が止まらず、一睡もできなかった」(男性)。電力が復旧し、空調設備のある教室に移動できたのは7月31日になってからだった。

プライバシーへの不安も尽きない。小学6年の娘と避難生活を送る松村ゆかりさん(50)が避難する教室では他に3世帯が生活。教室内に仕切りなどはなく、丸見え状態での生活が続く。着替える際は真夏にもかかわらず毛布をかぶるという。

避難所環境に「当たりはずれ」

一方、避難所の環境に「当たり外れ」がある状況も生まれつつあるようだ。

現在20人ほどが身を寄せる熊本市中央区の大江公民館。避難スペースには空調設備が設置され、水や非常食などの備蓄食料も充実。発災当初はなかったが、パーテーションのほか簡易ベッドや段ボールベッドなどの支援物資も比較的早期にそろった。

施設を利用する40代女性は日中は自宅で過ごし、余震が起こる可能性がある夜間だけこの避難所で過ごしている。女性は「快適で過ごしやすく、安心して休める。10年前よりもはるかに改善された」と話す。

熊本県によると、平成28年4月の熊本地震を受け、熊本市を中心に空調設備の整備や食料の備蓄などが進められた。これに対し今回被害が集中した宇城(うき)市や八代市、氷川町などの自治体は「整備が間に合わなかった」(担当者)という。

現地からは不足する支援物資に関する要望が絶えず寄せられている。ただ地震後、県内では各所で渋滞が常態化し、復旧の足かせになっている。県の担当者は避難所間での格差について「申し訳ないと思っている。できる限り早期に対処したい」と話した。

避難所での食事や設備に格差が生まれ、支援の濃淡に避難生活が左右される課題は令和6年の能登半島地震でも問題となった。

筆者:木下倫太朗、土屋宏剛(産経新聞)

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