琵琶湖最北部に突き出た海津大崎の桜並木。周辺の道路整備に伴い、約600本の苗木が植えられたのが始まりという。現在では約10万人が花見に訪れる人気スポットとなった。
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およそ4キロにわたって約800本が淡いピンクの帯となって湖岸を縁取る=4月8日(ドローン使用、恵守乾撮影)

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穏やかな陽の光を浴びた満開のソメイヨシノが、琵琶湖岸を縁取るように咲き誇っていた。湖西の春を彩る海津(かいづ)大崎の桜並木(滋賀県高島市)。ドローンを使って上空から見下ろすと、淡いピンクに染まった桜の帯と、青く輝く湖面のコントラストが見事だ。

海津大崎は琵琶湖最北部に突き出た岩礁。昭和6~11年ごろ、周辺の道路整備に伴い、約600本の苗木が植えられたのが桜並木の始まりという。岩壁を削って道路が造成され、斜面の土がむき出しになったため、地元住民らが協力して桜の植樹を進めたそうだ。

一帯はその後、「暁霧(ぎょうむ)・海津大崎の岩礁」として琵琶湖八景の一つに数えられる景勝地に。約4キロにわたる桜並木は「日本さくら名所100選」に選ばれた。現在では約10万人が花見に訪れる人気スポットとなり、見頃の週末には交通規制がかけられるほどだ。

そんな〝郷土の誇り〟を守ろうと活動しているのが、平成9年に発足した「美しいマキノ・桜守の会」だ。清掃や木のチェック、枯れた木の伐採など、その取り組みは多岐にわたる。次世代を見据え、老木化が進むソメイヨシノに代わり、病害虫に強い品種のジンダイアケボノを植える作業も進めている。

徐々に明るさを増す日の出間近。沖には竹生島が浮かぶ

4代目会長の江端英嗣さん(72)は「花のシーズンが終わると、『お礼肥(れいごえ)』と呼ばれる追肥をします」とほほえむ。来年も美しく咲いてほしい、との願いを込める。

この地は30年ほど前、就職して関西に移り住んだばかりの筆者を、先輩カメラマンが自慢のオープンカーでドライブに連れてきてくれた思い出の場所でもある。桜吹雪の中、湖岸に続く桜のトンネルをくぐった光景は忘れられない。以来訪れるたび、裏切ることなく春イチオシの絶景を見せてくれた。

だが近年、桜守の会のメンバーは高齢化が進み、継承の難しさも感じているという。地元のマキノ東小では毎年、卒業を控えた6年生が記念植樹を行っており、同校の教頭だった江端さんは「大人になってからも『帰りたい』と思える桜にしたい」。さらに「桜を守り育てる気風が子供たちに受け継がれ、あるがままが愛でられる桜並木がこの先もずっと残っていけば」と願った。

筆者:川村寧(産経新聞写真報道局)

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