ホルムズ海峡が事実上封鎖される直前に通過し、東京湾の受け入れ施設に到着した大型原油タンカー=4月3日午後
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エネルギー供給の要衝ホルムズ海峡の船舶の航行が制約を受ける中、原油の供給不安が続いている。国内に輸入される原油の9割以上は中東産で、一部はナフサと呼ばれる油に精製され、日用品の製造に不可欠なプラスチックなどの原料となる。原油の不足は、国民生活のありとあらゆる場面に深刻な影を落としている。
唯一無二の補給路
中東の原油は、ペルシャ湾の入り口に位置するホルムズ海峡を通過し、台湾周辺の海域を通って日本まで運ばれてくる。
「紅海経由の代替ルートもあるが、大量の輸送をすぐには切り替えられない」。エネルギー問題に詳しいユニバーサルエネルギー研究所の金田武司代表は同海峡が事実上、唯一無二の補給路となっている現状を語る。
経済産業省によると、2024年度に輸入された原油は約1億3629万キロリットル。東京ドーム110個分の容積に相当し、アラブ首長国連邦(UAE)など中東産が96%(約1億3073万キロリットル)を占めている。
輸入された原油は、国内19カ所の製油所でガソリンや重油、灯油などの燃料に精製される。石油連盟がまとめた24年度の統計をみると、ガソリンが約31%と最多で、軽油が約25%、重油が約16%と続く。ナフサは約10%を占め、約1289万キロリットルが精製された。
輸入ナフサの7割も
一方、ナフサは海外で加工されたものも輸入されている。その量は、国内の精製分を上回る約2309万キロリットル。その7割超にあたる約1698万キロリットルは中東産で、日本の依存の大きさをうかがわせる。
国内産と輸入分の計約3597万キロリットルのナフサはさらに「石油化学基礎製品」と呼ばれるエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンという主に6種類の物質につくりかえられる。
その後、石油化学基礎製品は主要な物質ごとに専用工場へと回され、数度にわたる加工を経た上で、最終的にプラスチックや合成繊維、合成ゴム、塗料、溶剤、肥料、医薬品など身近な素材に姿を変えている。
イラン攻撃後、ナフサの調達不安が高まり、三菱ケミカルや三井化学といった化学メーカーが相次いでエチレンを減産。中東産以外のナフサ調達も進めている。今回の紛争では、中東の石油化学施設が攻撃されているため、ホルムズ海峡が開放されたとしても、直ちに供給が安定するかどうかは不透明だ。
金田氏は「国民生活に決定的な打撃となる。紙袋や紙ストローのように、材料に原油を使っていない代替製品の利用についても考える必要がある」と話している。
筆者:市野澤光、長谷川毬子(産経新聞)
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