人口減少が進み、中心部でも人通りはまばらだ=5月29日午前、神奈川県真鶴町(鈴木駿太郎撮影)
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総務省が令和7年国勢調査の速報値を公表した。昨年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口は1億2305万人で、2年の前回調査から309万7千人減った。減少率は2・5%だった。
初めて人口が減った平成27年の前々回から3回連続の減少である。減り幅は過去最大だ。前回の減少率0・7%と比べると急速に人口減が進んでいることが分かる。
総務省は少子高齢化が進み、死亡数が出生数を上回る「自然減」が拡大したことが要因とみている。
政府が令和5年12月に少子化対策を盛り込んだ「こども未来戦略」を策定してから約2年半が経(た)つ。高市早苗政権や与野党はもっと危機感を持たねばならない。少子化の速度を緩やかにして時間を稼ぎ、人口減でも移民国家にならずに、社会機能を維持し、豊かさを実感できる国にすることが必要だ。
高市首相は少子化と人口減について「わが国の活力を蝕(むしば)んでいく」と述べ、総合的な戦略を策定する考えを示してきた。人口目標や将来の国家像を具体的に示してほしい。
都道府県別では人口が増えたのは東京都と沖縄県のみで、45道府県で減った。このうち埼玉、千葉は大正9年の調査開始以来初めて、神奈川、愛知は戦後初めて人口が減った。
首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)の人口は3698万6千人に増え、総人口に占める割合が初めて3割を超えた。だが、その一方で人口減の波は都市部にも及び始めているといえよう。この現実から目をそらしてはならない。
少子化対策で政府が最も注力すべきは若年層の所得向上だ。結婚して子供を産み育てる人を増やすには、経済的不安の解消が欠かせない。
今後も現役世代(生産年齢人口)は減少し、人手不足に拍車がかかる。地方の過疎化が進み、税収減で地方財政が悪化すれば、行政サービスの提供も難しくなる。インフラ老朽化への対応も急がれる。交通機関が衰退する懸念もある。
人口減でも社会が機能するように、政府や自治体は住宅や公共施設などを集約させる「集住」にもっと力を入れるべきだ。企業や行政は、AI(人工知能)の活用による業務の効率化も加速させたい。
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2026年5月31日付産経新聞【主張】を転載しています
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