モバイルバッテリーの取り扱い変更を周知するポスターと航空各社の社員ら=4月14日午後、羽田空港
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旅客機内へのモバイルバッテリーの持ち込みや機内での扱いが厳しくなった。
国土交通省が4月24日から新たな国内規定の適用を開始したためだ。機内に持ち込めるのは1人2個までで、1個当たり160ワット時以下のものに限られる。
大型連休で空の旅行者が増える。乗客各人がルールの変更を理解して、安全確保の規則遵守(じゅんしゅ)に努めたい。
モバイルバッテリーは持ち運び用の予備電源だ。外出先でスマホなどの充電に使われる。小型軽量で情報化時代の便利な機器だが、火災につながる発火事故が増えている。利用者の拡大と使用開始後の経年劣化が事故増加の背景にあるようだ。
また、多くのモバイルバッテリーで使用されているリチウムイオン電池の特性も事故の起きやすさと関係している。エネルギー密度が高く、多くの電気を蓄えられる一方で、事故時の被害も大きくなりやすい。
発火の前兆が少ない上に、急激に燃焼反応が進行し、水をかけても酸素の供給を抑えても消火が難しいのだ。通常の可燃物の燃え方とは質的に異なることを知っておきたい。
昨年7月にJR山手線、翌8月に上越新幹線の車内で起きた発煙・発火事故も、こうしたモバイルバッテリー火災の特殊性が関係している。
同年10月には離陸直後の全日空機内で乗客が持っていたモバイルバッテリーから煙が出る事故があった。
海外では、昨年1月に韓国の金海国際空港で離陸準備中の旅客機が炎上した。出火原因とモバイルバッテリーの関連が指摘されている。大事に至らない小事故も各国で報告されており、国際民間航空機関(ICAO)も対策に乗り出した。
事故防止の要は、乗客一人一人の自覚である。安さだけを基準にしての購入は危うい。安全性の低いモバイルバッテリーも市販されている。
これまでに、落下の衝撃を加えたり、高温下に放置したりした記憶があるなら使用はやめたい。膨張や異常発熱、異臭があればなおさらだ。
モバイルバッテリーは、今や暮らしと仕事で日用品に近い存在になっている。だからこそ、その使用に当たっては「高エネルギーの機器」であるとの認識を徹底したい。
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2026年4月25日付産経新聞【主張】を転載しています
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