改正皇室典範が参院本会議で可決、成立した。皇族数確保のため、皇族との養子縁組による旧宮家の男系男子の皇籍復帰と、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持し続ける2つの制度を設けた。
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改正皇室典範が可決、成立した参院本会議=7月17日午前、参院本会議場(相川直輝撮影)

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改正皇室典範が参院本会議で可決、成立した。宮内庁は今上陛下と秋篠宮皇嗣殿下に報告した。

国の始まりから現代まで途切れることなく続く皇統を、これからもお守りしていく内容だ。成立には極めて大きな歴史的意義がある。高く評価したい。

ただし、皇統の安定継承を確かなものとする上で、改正典範の成立は第一歩にすぎないとも言える。旧宮家からの養子縁組をはじめ内容を確実に実現していくため、高市早苗政権は全力を尽くしてもらいたい。宮内庁だけに任せず、首相直轄で対応すべきだ。

改正典範は皇族数確保のため、皇族との養子縁組による旧宮家の男系男子の皇籍復帰と、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持し続ける2つの制度を設けた。

内容実現は首相直轄で

典範第1条は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めている。養子で復帰する男性皇族は例外的に皇位継承資格を有しないとしたが、生まれながらの男性皇族となる子息の世代からは継承資格を有する。安定的な皇位継承を確保する上で決定的に重要と言える。一方、女性皇族と結婚する一般男性とその子には皇族の身分を付与しない。

日本の天皇、皇族は例外なく男系(父系)継承で続いてきた。女性皇族との婚姻で男系男子でない一般(非皇族)男性が皇族になった例は皆無だ。一般男性の皇族入りを認めないことで皇位の簒奪(さんだつ)や皇室の乗っ取りを防いできた。これに対し、一般女性は婚姻で皇后や妃(女性皇族)になってきた。女性差別と論じられるものではない。皇室の歴史と伝統を尊重し、改正典範が導き出された。

皇位と皇族の継承の最重要原則(男系継承)を、たまたま今生きている世代が思い付きで破ってはならない。改正典範によって、国の根幹であり歴史的存在である天皇の正統性、象徴性を保つ道が開ける。歴代天皇と国民の先祖が紡いできた皇統を今の世代もお守りし、次の世代へ伝えたい。

改正典範の重要な前提は、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしないことだ。内閣が国会提出した政府報告書と、国会の全体会議がまとめた「立法府の総意」の双方も確認済みだ。

改正典範が目指したのは、将来即位される悠仁親王殿下をお支えする皇室の態勢整備だった点を忘れてはならない。皇室には危機が指摘されてきた。今上陛下と秋篠宮皇嗣殿下の次の世代で皇位継承資格がある男性皇族は悠仁親王殿下だけだからだ。皇位の安定的な継承に不安が残る。親王殿下が将来即位される際に、他に皇族がほとんどいない事態も避けたい。

現在19歳の悠仁親王殿下には今世紀末頃まで長く在位されることが期待できる。皇子が生まれ、皇位を継がれるのが望ましいのはもちろんだ。ただし、継承資格を持つ男性皇族の宮家を増やし、支えていくことは欠かせない。

旧宮家の重みを知ろう

ところが、継承資格をお持ちでない愛子内親王殿下の即位を唱える向きが世間の一部にあった。

今上陛下は立皇嗣の礼で次の天皇は秋篠宮皇嗣殿下だと宣明された。悠仁親王殿下への継承の正統の流れは確立している。

この今上陛下の宣明を顧みない「愛子さま天皇」論は、上皇陛下の譲位特例法に伴う付帯決議から始まった議論において、内閣でも国会の全体会議でも取り上げられていない。

愛子内親王殿下のあり得ないご即位を持ち出して「女性天皇」を喧伝(けんでん)し、悠仁親王殿下のご即位や旧宮家からの皇籍復帰を妨げる議論は皇統の安泰とは正反対を向いていた。日本を分断し皇室に迷惑をかけたと気づくべきである。

旧宮家(伏見宮系)は、第102代の後花園天皇から第124代の昭和天皇まで歴代天皇が500年以上、皇統断絶の危機に皇位を継がせるため守ってきた皇統の伴走者だ。旧宮家を含め皇室の歴史がある。この重みを尊重したい。現憲法下の昭和22年時点でも皇位継承資格を有していた。皇籍復帰をお願いするのにふさわしい。

「立法府の総意」に沿って策定された改正典範は衆院で総定数の9割もの会派の圧倒的多数の賛成で、参院で4分の3程度の大多数の賛成でそれぞれ可決された。

日本は議会制民主主義の国だ。国会の制定を重く受け止め、静謐(せいひつ)な環境を用意して、改正典範の内容を実現していきたい。特に、養子縁組を巡り誹謗(ひぼう)中傷が行われないようにしなければならない。

2026年7月18日付産経新聞【主張】を転載しています

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