並んだ姿は舞台に立つバレリーナのようなセイタカシギ(大山文兄撮影)
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いつものように国の特別天然記念物、トキを撮影していたら、一風変わった鳥が目についた。前回のコラムで紹介した希少な渡り鳥、ホウロクシギに引き続き、今回はトキではなく「水田のバレリーナ」といわれるセイタカシギの姿を紹介する。
田植えとともに登場
田植えに備えて、田に水が張られる5月の連休前後から、姿を見かける優雅な鳥がいる。ピンク色の長い脚が特徴のセイタカシギだ。セイタカシギを見かけると、田植えが近いと感じることができる。

満々と張られた田の水面に、ピンクの長い脚が写りこむ。動く姿を撮影しているとフラミンゴの脚のように見えてくる。
黒い翼の竹馬?
セイタカシギの全長は約40センチ。全長にはクチバシの先から尾までなので長い脚は含まれない。ちなみに、自慢の(?)脚の長さは約25センチで、全長に対する脚の長さの割合はフラミンゴに次いで2番目に大きい。日本名は「背丈の高いシギ」に由来している。

もう一つの特徴が白い体と真っ黒な翼の羽だ。そのため、英語ではBlack winged stiltと呼ばれていて、直訳すると「黒い翼の竹馬」。こちらも長い脚にちなんだ名前だ。頭から背中にかけて黒い模様があり、まるで三毛猫の毛のように一羽一羽が微妙に違う。

「水田のバレリーナ」という例えもある。複数のセイタカシギが並んでエサを探す優雅な姿はバレエを見ているようで、私はこの呼び方がお気に入りだ。
豊かな佐渡の自然に守られて
セイタカシギは自慢の脚で、水深が深い場所でもエサ取りができる。しかし、佐渡で見かけるときは、浅い水田ばかりだ。

佐渡では、特別天然記念物のトキのエサ場づくりのために2007年から、米の「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を立ちあげ、農薬を減らし、田んぼの畔に除草剤を使わない環境に優しい米づくりに取り組んでいる。このため、浅い水田でも十分にエサの小動物が生息しているのだろう。トキを保護するための取り組みが、他の渡り鳥を育むことになっている。

5月末、約1カ月にわたる田植えが終わると、除草剤を使わないために伸び放題となった畔の草刈りが始まる。このころにはセイタカシギは島から姿を消している。私は、来年のセイタカシギの再会を楽しみに、汗をぬぐって重労働の草刈りに従事することになる。

筆者:大山文兄(フォトジャーナリスト)
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■大山文兄 産経新聞社写真報道局で新聞協会賞を2回受賞。新聞社時代に11年間にわたり、トキの野生復帰を取材。2020年に退社して佐渡島に移住、農業に従事しながら、トキをはじめとする動物の写真を撮り続けている。映像記者として佐渡の魅力を発信中。インスタグラムでフォローしてください。
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