「副首都」構想関連法が成立した。同法の狙いは、大災害で東京が被災した際、副首都が首都の役割を代替し、立法や行政などの国家機能を維持するもの。
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副首都構想関連法が可決、成立した参院本会議=7月24日午後、参院本会議場

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自民党と日本維新の会提出の「副首都」構想関連法が7月24日夜、成立した。国会は25日、閉会した。

副首都をつくるための方向性を示す枠組み法だ。政府は具体化を進めねばならない。

同法の狙いは大災害で東京が被災した際、副首都が首都の役割を代替し、立法や行政などの国家機能を維持するものだ。東京一極集中を是正し、多極分散型経済圏を形成することも掲げた。要件を満たす道府県の申し出を受け、首相が副首都を指定する。

東京が被害を受ければ、国民生活への影響は計り知れない。首都機能のバックアップ体制を整えようとすることは危機管理上、理解できる。法案提出者は副首都を複数指定することもあり得るとしている。

同法は政府機関の拠点整備、規制緩和、民間投資促進のための税制措置などを列記しているが、具体策はこれからだ。

政府は施行後1年以内に基本方針を策定する。指定要件や支援策などについて、詳しく示してもらいたい。また、自治体が名乗りを上げるのを待つだけではなく、どの地域にどのような国家機能を配置し、平時と非常時における東京との役割分担をどう考えるのか、その全体像を明らかにしてほしい。

東京の国際競争力を維持しながら、多極分散を進める道筋を示すことも欠かせない。

解せないのは、想定する大規模災害は首都直下地震と富士山噴火で、西日本を中心に広範囲に被害をもたらす南海トラフ巨大地震は含まれていない点だ。法案提出者は南海トラフ地震について「東京圏で首都中枢機能の維持が困難となる被害をもたらすことは想定されていない」と答弁したが、全く影響がないのか精査が必要ではないか。有事を念頭に置いていないことも問題である。

付則には特別区を設ける道府県は「都」へ名称変更できる規定が盛り込まれた。日本は立憲君主国だ。天皇陛下が普段住まわれるところ(行政区域)が首都、都であるのが自然である。皇居のある東京以外の「都」呼称には疑問がある。

野党は特別区設置を問う住民投票と地方選の同日実施の禁止を求めた。選挙期日の制限はおかしい。付帯決議はあったが、法案提出者が「確約」しなかったのは当然だ。

2026年7月26日付産経新聞【主張】を転載しています

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