ソロモン諸島のワレ新首相が、中国と締結した安全保障協定を見直すと表明した。対中傾斜を解消するもので、歓迎したい。
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ソロモン諸島の首都ホニアラで、中国の支援によって建設中の競技場

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南太平洋の島嶼(とうしょ)国・ソロモン諸島のワレ新首相は、2022年に中国と締結した安全保障協定を見直すと表明した。

マネレ前政権から路線を転換した。対中傾斜を解消するもので、歓迎したい。

安保協定は公表されていないが、文書を入手した欧州メディアなどによれば、中国がソロモンに軍や警察を派遣できることが規定されていた。前政権は、中国の警察による住民の世帯データや生体認証データの収集も認めていたという。一国の主権を損ないかねない異様な協定である。

ソロモンは19年に台湾と断交し、中国と国交を樹立した。中国は多額の経済支援と引き換えに、ソロモンを影響下に置くべく布石を打ってきた。3年後に締結された協定の内容をワレ氏は今年5月、首相就任時に初めて把握したという。ワレ氏は、協定の規約に基づいて内容を公開しない方針だが、透明性を確保するためにも公開を検討すべきである。

中国はソロモンと良好な関係を維持したい考えだが、新政権側に根強い不信感があることを認識する必要がある。

協定の見直し表明をオーストラリアは歓迎している。近隣の民主主義の大国だけに、ソロモンが太平洋における中国の拠点になるとの懸念は強かった。

ワレ氏は6月、アルバニージー豪首相との共同記者会見で、前政権の対中傾斜を念頭に、対豪関係で「過去数年間、問題があった」とし、関係強化を図る考えを示した。豪州は同月、近隣のバヌアツと安全保障や経済協力に関する協定に調印した。豪州はソロモンやバヌアツを含むメラネシア地域で、中国の影響力排除に努めてほしい。

ワレ氏の姿勢を注視しているのが米国だ。ソロモン海域は、豪州と米国とを結ぶ戦略上の要衝だからだ。23年にソロモンに大使館を開設した米国は、中国を牽制(けんせい)すべくソロモンへの関与を一層強めてもらいたい。

日本は6月下旬、ソロモンの行政官を日本で研修させるなどの協力文書に署名した。海上自衛隊もソロモン海上警察と共同訓練を行うなど、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向け連携を強化している。日本はソロモンが再び中国に傾斜しないよう、豪米などとともに緊密な関係を維持すべきだ。

2026年7月5日付産経新聞【主張】を転載しています

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