クマが人里に出没する原因が栄養不足による飢餓とは無関係であるとの研究結果がある。放置された農作物や果樹の存在が要因となっている可能性が浮上。誘引物の除去や侵入経路の遮断といった物理的対策の強化が不可欠だ。
black bear Morioka

寺の敷地に入り込んだクマ=盛岡市

This post is also available in: English

クマが人里に出没する原因が栄養不足による飢餓とは無関係であるとの研究結果がある。従来は主食であるドングリの豊凶が出没と関連すると考えられてきたが、放置された農作物や果樹の存在が要因となっている可能性が浮上。誘引物の除去や侵入経路の遮断といった物理的対策の強化が不可欠といえる。

島根県中山間地域研究センターと東京農工大の小池伸介教授らの研究チームが、平成15~30年に同県で有害捕獲された651頭のツキノワグマの脂肪量を計測した。内臓脂肪などは栄養状態の指標となる。

それによると、ドングリの不作年に捕獲されたクマは平均40%の十分な量の内臓脂肪があり、大半が栄養状態が良好な個体だった。

また脂肪蓄積量の季節変動を調査したところ、ドングリを大量に食べる秋に脂肪量はピークを迎え、それを1年かけて利用していたことも判明。冬眠中にたまりやすく消費しやすい皮下脂肪を優先的に利用し、栄養状態が厳しくなると内臓や骨髄の脂肪を利用していた。ドングリが不作にもかかわらず翌年の秋まで一定の脂肪が蓄えられる背景と推測される。

この記事の続きを産経ニュースで読む

筆者:堀口明里(産経新聞)

This post is also available in: English

コメントを残す