中国民族団結進歩促進法に抗議する在日チベット人ら=7月4日午前、東京都港区(奥原慎平撮影)
This post is also available in:
中国で7月1日に施行された「民族団結進歩促進法」に抗議するため、在日のチベット人らが4日、東京・元麻布の中国大使館前で集会を行い、チベットの言語、文化を守るための団結を訴えた。同法を巡っては、米国でチベット人活動家が抗議の焼身自殺を図って死亡しており、参加者は追悼の祈りを捧げるとともに、中国政府への抗議の意思を重ねて示した。
文化と言語は国の存在
新法は「中華民族」の団結を損なう行為を処罰すると定め、標準中国語を全面的に普及すると明記。チベット自治区などでの同化政策がさらに進むことが懸念されている。
これに抗議して焼身自殺したのは、約20年前に米国へ逃れ難民となったというロプガ・ランゼン氏(42)。2日、ニューヨークの国連本部前で伝統衣装「チュパ」をまとい、チベットの旗を手に祈りの言葉を唱えながら自らに火を放った。その様子はSNS上で拡散され、搬送先の病院で死亡が確認された。

集会で、在日チベット人コミュニティーの小原カルデン・元代表は、新法について「チベットの言葉や文化、宗教、チベット人としての自分らしさが、さらに制限されるのではないかと心配している」と危機感を示した。
ロプガ氏の死については、「深い悲しみをもって受け止めている。私たちは暴力ではなく、平和と対話で人権と自由、尊厳を求めている」と強調した。
小原氏は記者団に対し、「文化と言語が無くなるのはチベットという国が無くなるということだ。絶対にそうなってはいけない。中国はチベットを侵略し、チベットの国を完全に世界から消そうとしている。しかし、われわれチベット人は決してあきらめない」と語った。
チベットで自殺は禁忌も
ロプガ氏の焼身自殺については「国連とメディアにチベットへの関心を持ってもらうためだったのだろう」と受け止めを語った。
中国のチベット人の居住地域では2008年にラサで騒乱が起きて以降、約160人の僧侶らが抗議のための焼身自殺を行ったと報じられる。
一方、小原氏は、チベット仏教で自殺は「罪」とされることに言及。
「焼身自殺は非常に重い罪だ。母親に生んでもらい、育ててもらった命を絶つのは一番の罪だ。それでもチベット人は、その罪を背負ってでも、チベットのためなら罪でもいい。チベットのためなら私はやりますよという気持ちだ」と語った。
集会を主催したツェリン・ドルジェ氏は「70年以上にわたり中国はやりたい放題だった。団結法によって最後の手段としてチベットの文化やアイデンティティーを消そうとしている。しかし私たちは負けない」と語った。
筆者:奥原慎平(産経新聞)
This post is also available in:

