北京の天壇公園を訪れたトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=5月14日(AP=共同)
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日本政府は5月14日のトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談の行方を固唾をのんで見守った。トランプ氏は米中2極体制を意味する「G2」論に言及するなど習氏への親密な態度が目立ち、会談で対中傾斜を一層強めれば日本の安全保障への影響は甚大だからだ。高市早苗首相は会談後には速やかにトランプ氏と意思疎通を図り、日米の足並みをそろえたい考えだ。
木原稔官房長官は同日の記者会見で、米中首脳会談について「米中関係が日本を含む国際社会の安定に資するものとなることが重要だと考えており、高い関心を持って注視している」と述べた。トランプ氏は中国側に歓迎ムードで迎えられたが、自民党重鎮は「中国側にはトランプ氏を取り込む思惑があるんだろう」と指摘した。
日本の頭越しでの米中の接近は、東アジアの安保環境を揺るがしかねない。日本は東・南シナ海への海洋進出の動きを強め、覇権主義へと突き進む中国に日米同盟の結束で対抗してきた。だが、トランプ氏が習氏との会談で米国産品の輸出拡大やイランとの和平協議への協力などと引き換えに台湾をはじめとする東アジアの問題で譲歩すれば、日本ははしごを外される形となる。外務省幹部は「日本にとって、米中関係は良すぎても悪すぎても困る」と本音を明かす。
トランプ氏が昨年10月の韓国での米中首脳会談の際、G2に言及して以降、日本側は米国と対中認識の共有を図るために躍起になった。政権内では今回の訪中に合わせ、トランプ氏を日本に招く案も浮上したという。だが、3月に会談したばかりの首相とトランプ氏がわずか2カ月後に再会談するのは現実的とはいえず、立ち消えとなった。
また、訪中の直前に日本に立ち寄ったベセント米財務長官に対しては首相のほか、片山さつき財務相や茂木敏充外相らが次々と会談するなど歓待し、対中認識をすり合わせたとみられる。
日本政府はトランプ氏が会談を終え、15日に帰国の途についた後、首相とトランプ氏との電話会談などで速やかに情報共有を図る方針だ。日米外交筋は「トランプ氏と意思疎通をしたい」と話す。
筆者:永原慎吾(産経新聞)
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