フランスで開幕したカンヌ国際映画祭では、最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門に日本人監督の3作品が選ばれており、受賞の行方が注目される。コンペに日本人監督3作品が同時に選ばれたのは、25年ぶり。
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カンヌ国際映画祭で「箱の中の羊」の公式上映後、取材に応じる(左から)是枝裕和監督、綾瀬はるかさん、桒木里夢さん、大悟さん=5月16日、フランス・カンヌ(共同)

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フランスで5月12日(現地時間)に開幕した第79回カンヌ国際映画祭では、最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門に日本人監督の3作品が選ばれており、受賞の行方が注目される。コンペに日本人監督3作品が同時に選ばれたのは、2001年以来25年ぶり。映画ジャーナリストの立田敦子さんは、苦戦するアジア各国を尻目に、日本がプレゼンスを高めていると指摘する。

コンペ部門に選ばれた日本人監督作は「箱の中の羊」(是枝裕和監督)、「急に具合が悪くなる」(濱口竜介監督)、「ナギダイアリー」(深田晃司監督)の3作品。

是枝監督は、2004年に手がけた「誰も知らない」で主演の柳楽優弥(当時14歳)が日本人初、史上最年少で最優秀男優賞を受賞。13年に「そして父になる」で審査員賞を受賞したほか、18年には「万引き家族」でパルムドールに輝いた。立田さんは「是枝監督はカンヌの常連なので、作品が完成したら順当に選出されると予想されていた」と話す。

濱口監督は18年に「寝ても覚めても」がコンペ部門に選出されたほか、21年に「ドライブ・マイ・カー」で脚本賞を受賞。立田さんは「今回選出された作品はフランスで撮影され、日仏独・ベルギー合作で、主演のビルジニー・エフィラはフランスでは人気の大物女優。『ドライブ~』が米アカデミー賞国際長編映画賞も受賞し『世界のハマグチ』としての注目度も高い」と評した。

深田監督は16年に「淵に立つ」がサイドバー(併設)の「ある視点」部門の審査員賞を受賞しているが、コンペ部門には今回が初選出。「日本の二大監督とともに深田監督が選出されたことが一番興味深い」(立田さん)。

今回、中国映画は選ばれず、韓国映画もナ・ホンジン監督の作品のみ。立田さんは「予算などの関係で両国の映画業界は苦戦を強いられている。その中でアジアの映画大国である日本がプレゼンスを高めている」とみている。

カンヌのコンペ部門は通常、映画監督や俳優、脚本家などさまざまな分野や国籍から選出された審査員長1人と審査員8人で各賞の受賞作を決める。コンペ部門の審査員は毎回異なるため、好みや考え方、映画の見方によって受賞作は変わり、下馬評と違う作品が選ばれることも少なくない。

日本人監督作の受賞の可能性について、立田さんは審査員長を務める韓国のパク・チャヌク監督が鍵を握るとみる。過去には審査員長が自国監督を選ぶ傾向もあったといい、映画評論家としての顔も持つパク監督が「評論家としての意志を貫くかどうかが見どころ」(立田さん)という。

授賞式は5月23日(現地時間)に開かれる。

筆者:水沼啓子(産経新聞)

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