(File photo/gpointstudio)
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サービスを提供している事業者として、問題解決の重要性、緊急性を理解していないのではないか。
総務省がインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として、通信履歴を一定期間保存するよう関連事業者に求めたことに対し、Xの運営会社が対応を拒否したことが分かった。社内基準よりも保存期間が延び、コスト負担が増すことに抵抗したとみられている。
SNSには特定の人の名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりする投稿があふれ、問題解決が急務だ。多くは匿名による投稿のため、被害救済には発信者の特定が必要だが、通信履歴の保存期間が短ければ特定できなくなる恐れが高まる。
誹謗中傷を苦に命を絶つ人もいる。Xの運営会社はサービス提供事業者としての責任を認識し、保存期間の延長に応じるべきだ。
総務省は昨年10月、通信事業者を対象にした指針を改正し、SNSへの接続履歴などの利用者情報を「少なくとも3カ月から6カ月程度」は保存することが望ましいとの考え方を示した。SNS大手が加盟する「ソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)」など事業者団体にも改正した指針に沿った対応を要請した。
これに対し、Xは今年2月、要請を受け入れない方針を説明したという。携帯電話大手や他のSNS事業者は、総務省の要請に応じるなどして3カ月以上の保存期間を設けていた。
SNSなどネット上の書き込みは匿名でできるため、安易に行われ過激化しやすい。
誹謗中傷などの投稿への対応をSNS運営事業者に義務付ける「情報流通プラットフォーム対処法」が昨年4月に施行された。Xなど対象となる大規模事業者は被害の申告窓口を設け、投稿の削除についての可否を申告受理から7日以内に判断する必要がある。
令和4年には侮辱罪に懲役刑(現在は拘禁刑)を導入する改正刑法も成立している。
「通信の秘密」に当たる通信履歴は漏洩(ろうえい)のリスクもあるため、長期間の保存は問題があるとされる。だが、被害者が泣き寝入りすることなく救済されるためには一定の保存期間は必要だろう。総務省には3カ月以上の保存期間を義務化するなど実効性ある対応を求めたい。
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2026年4月10日付産経新聞【主張】を転載しています
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