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「富岳」のコロナ飛沫研究にゴードン・ベル特別賞

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理化学研究所や神戸大の研究チームが18日(日本時間19日未明)、スーパーコンピューターを使った新型コロナウイルス研究で顕著な成果を上げたチームに授与される、ゴードン・ベル賞の特別賞を受賞した。理研が運用するスパコン「富岳(ふがく)」を使って、せきや発話で生じる飛沫(ひまつ)をシミュレーション(模擬実験)し、新型コロナの感染予防対策に貢献した成果が高く評価された。

 

15日に富岳がスパコンの計算性能を競う4つの世界ランキングで4期連続トップとなったのに続く快挙となった。

 

ゴードン・ベル賞は計算科学分野で最も権威のある賞の一つで、スパコンによる大規模計算を科学・技術分野に応用した研究のうち、その年に最も優れた成果を出した研究チームに授与される。「スパコンのノーベル賞」とも称される。昨年から、新型コロナ研究に関する特別賞を設け、スパコンを使って感染症の理解や世界的な危機の解決に寄与した研究を表彰している。

 

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受賞チームは、口や鼻から出た飛沫やエアロゾル(ウイルスを含む微細な粒子)が空間に広がり、浮遊する様子を詳細にシミュレーションした。素材やつけ方の違いによるマスクの効果や、オフィスや自動車の車内、飲食店、コンサートホールなどさまざまな場面での感染リスクを分析した。

 

研究成果は発表当初から広く関心を集め、飛沫やエアロゾル感染について社会一般の理解を深めることにつながった。どのようなケースで感染リスクが高まるのか、自分の行動によってリスクを低減できるのかを考える道筋を与えた成果で、感染対策を啓発し、コロナ禍の行動変容を促した。

 

米国計算機学会・同賞委員会のマーク・パーソンズ委員長は「この成果は、パンデミック(感染症の世界的大流行)の初期段階に日本、そして世界中で公衆の行動を変えた」と評した。

 

米セントルイスで開催中の国際会議「SC21」で発表され、研究を率いた理研チームリーダーで神戸大教授の坪倉誠氏と理研計算科学研究センターの松岡聡センター長が登壇して、表彰状を受け取った。

 

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ゴードン・ベル賞には、富岳を使って、物質を構成する最も小さな粒子である素粒子の一種「ニュートリノ」の運動をシミュレーション(模擬計算)した筑波大や京都大などのチームも最終候補に残っていたが、惜しくも受賞を逃した。

 

筆者:松田麻希(産経新聞)

 

 

JAPAN Forward オリジナル記事を英文で読む

 

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