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【主張】ゴーン被告 破廉恥な逃亡劇の解明を

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元日産自動車会長、カルロス・ゴーン被告の海外逃亡を手助けしたとして、東京地検特捜部が3月1日、犯人隠避の疑いで米国人親子2人を逮捕した。ゴーン被告の国外逃亡には、入管難民法違反容疑で逮捕状が出ている。

 

ゴーン被告は逃亡先のレバノンで悠々自適の生活を送り、日本の司法制度などに対する身勝手な批判を繰り返している。自伝の執筆や映画製作に意欲をみせるなど英雄気取りだが、本来は特別背任などの罪で公判の被告席にいなければならなかった立場である。

 

ゴーン被告は海外渡航を禁じた保釈条件を破った。莫大(ばくだい)な資産を背景に、元米軍特殊部隊の「脱出のプロ」である父親とその息子を超高額の報酬で雇い、楽器の箱に隠れてプライベートジェットで違法に出国した。

 

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当時の森雅子法相は「旅券を提示せず不法に逃亡したのは子供たちにも説明できない信義にもとる行為だ」と述べ、法務省のホームページに日英仏語で掲載した。法の存在を顧みない、まさに破廉恥な逃亡劇だったといえる。

 

米国人親子の取り調べや公判を通じてゴーン被告逃亡の全容を解明し、その不当性と日本の立場を全世界に向けて発信してほしい。これはいわば、ゴーン被告に向けた国際情報戦でもある。

 

米国人親子は、日本側の求めにより昨年5月、米当局に身柄を拘束された。米マサチューセッツ州の連邦地裁が日本への身柄引き渡しは可能だと判断し、米国務省が移送承認の決定を通知した。弁護側の差し止め申し立ても同地裁が棄却し、ボストン連邦高裁、最高裁がこれを支持した。米国司法の公正公平な判断を評価したい。

 

移送の根拠は日米犯罪人引渡条約だ。日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じてゴーン被告の身柄拘束を要請中だが、レバノン側は否定的である。レバノンとの間に犯罪人引渡条約はないが粘り強く交渉を続けてほしい。

 

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そもそもゴーン被告の保釈判断は妥当だったのか。改めて検証すべきだ。保釈の要件は逃走や証拠隠滅のおそれがない場合に限られるが、逃走したではないか。結果をみれば判断の誤りは明白だ。

 

折しも公選法違反の罪で公判中の元法相、河井克行被告の保釈が認められた。保釈の条件は緩和される傾向にあるが、そのあり方についても再考すべきである。

 

 

2021年3月4日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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