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【主張】デジタル庁の創設 便利さ実感できる改革に

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菅義偉政権が行政サービスのデジタル化を一元的に進める「デジタル庁」を早期に創設する方針を打ち出した。来年の通常国会に設置法案やIT基本法改正案などを提出する構えだ。

 

菅政権はデジタル化の推進を看板政策として掲げており、首相はITに強い平井卓也氏をデジタル改革相に任命した。平井氏は海外の事例などを参考にデジタル庁創設の準備を急ぐとしている。

 

当面は官民のデジタル化を進める手段としてマイナンバーカードの普及を図る方針だが、行政のデジタル化を推進する目的を明確にしてほしい。それは国民の利便性を向上させることである。

 

面倒で非効率な行政手続きを国・地方問わずに廃止・簡素化し、国民が便利さを実感できるようなデジタル改革が求められる。デジタル庁はその実現を阻む縦割り行政の突破口として活用しなければならない。

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新型コロナウイルス対策をめぐって行政のデジタル化の深刻な遅れが浮き彫りになった。1人あたり10万円を支給する特別定額給付金では煩雑な事務手続きが地方自治体の混乱を招き、早期に支給した欧米との差が目立った。

 

日本では中央省庁のデジタル関係部局が内閣官房や総務省、経済産業省などに分散している。各省庁が個別に手掛けてきた行政のデジタル化を統括し、政府の司令塔としてデジタル庁を創設することは妥当といえる。

 

問題はどこまで同庁が実効性のある権限を確保できるかだ。政府内のデジタル関係部局を統合しても、各省庁が持つ行政権限などがそのままならば、デジタル庁は司令塔の機能を発揮できまい。縦割り行政を打破するためには権限の移管も欠かせない。

 

 

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行政情報のデジタル化を推進するには、地方自治体のデジタル化も不可欠である。現在は自治体ごとにシステムが異なるなど極めて効率が低く、コストもかかる。中央と地方のシステム共有なども進めることが必要だ。

 

平井氏はマイナンバーカードを「デジタル時代のパスポート」と強調するが、普及率は19%あまりにすぎない。普及が遅れているのは、国民がその必要性を感じていないためだ。安全性を確保しつつ、銀行口座のひも付けなどで利便性を高めることがカード普及を大きく進めることになる。

 

 

2020年9月20日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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