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【主張】中国全人代の決定 香港の危機に声をあげよ

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中国の全国人民代表大会(全人代)が3月11日、香港の選挙制度を変更する決定を採択し、閉幕した。

 

香港政府のトップを選ぶ行政長官選や立法会(議会)選から、民主派の候補者を一掃することができる選挙制度の改悪である。香港市民が求めてきた民主化に逆行する決定で、断じて容認できない。

 

制度の詳細は、今後開かれる全人代常務委員会で決まるが「候補者資格審査委員会」の新設方針が明らかになっている。

 

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中国の習近平政権は「愛国者による香港統治」を掲げる。立候補者が愛国者、つまり中国共産党を支持する者か否かを審査する機関となる。共産党政権が立候補資格を有すると判断しなければ出馬できない。選挙から民主派を排除するための仕掛けだ。

 

この改悪で親中派が圧倒的に優位な香港立法会が出来上がる。立法会は、議案を承認するだけの全人代のような疑似議会機関となるだろう。こうした香港の中国化は国際約束の「一国二制度」の原則を踏みにじるものだ。

 

香港はこれまで、「民主はないが自由はある」と評されてきた。行政長官は親中派が多数を占める選挙委員会による間接選挙で選ばれ、立法会も定数の約半数が間接選挙で選ばれている。

 

それでも香港基本法(ミニ憲法)には、行政長官や立法会の全議員を「最終的に普通選挙で選出する」と明記されており、香港の民主派は1人1票の直接選挙の実現を求めてきた。

 

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2014年の雨傘運動や19年の大規模デモの際も、民主派や市民らは「真の普通選挙」の実現を政府に要求した。選挙制度が改悪されれば、まっとうな普通選挙の実現は不可能となる。

 

選挙制度の民主化が遅れた香港ではこれまで、街頭デモが民意を政府に示す主要な手段だった。だが香港市民は、昨年の香港国家安全維持法(国安法)施行で言論とデモの自由を奪われた。そして今年は選挙を通じて民意を政治に十分に反映させる望みも絶たれることになる。

 

自由と民主主義の価値観を共有する日本と米国、インド、オーストラリア、カナダ、欧州諸国などは一致して声をあげ、香港の選挙制度を改悪して民主主義に挑戦する中国共産党の全体主義に対し、「NO」を突きつけるべきだ。

 

 

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2021年3月13日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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