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【主張】対中人権制裁 日本の不在は恥ずかしい

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中国政府による新疆ウイグル自治区におけるウイグル人への深刻な人権侵害をめぐって、米国と英国、カナダ、欧州連合(EU)が相次いで、中国当局者に資産凍結などの制裁を科した。

 

ひどい人権侵害をやめさせるため、米英加、EUが連携して制裁を発動した意義は大きい。米国はトランプ前政権時代からウイグル人への人権侵害をめぐり対中制裁を科していた。バイデン政権も初めて踏み切り、友邦諸国、機関が足並みをそろえた。

 

極めて恥ずかしいのは日本の姿がないことだ。EUにはドイツ、フランス、イタリアが加盟している。先進7カ国(G7)で日本だけが制裁行動から外れている。

 

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日本は人権問題の解決を希求する国ではなかったのか。中国政府がそれほどこわいのか。菅義偉政権も対中制裁に踏み切り、人権、人道を重んじる国々の列に加わってもらいたい。

 

100万人以上のウイグル人が強制収容所で苦しんできた。ラーブ英外相は声明で、同自治区で女性への不妊手術の強要などが横行していると非難した。

 

ブリンケン米国務長官は声明で、友邦諸国と連帯して「中国政府および中国共産党の残虐行為を白日の下にさらすことを目指す」と指摘した。さらに、「ジェノサイド(民族大量虐殺)と人道に対する罪を犯し続けている」と中国政府を非難した。

 

中国政府は人権侵害を否定するが信用できない。同自治区から脱出した人の証言や、決死の覚悟で撮影、持ち出された映像など弾圧の証拠は多く報じられている。

 

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茂木敏充外相は23日の国会で、EUなどの対中制裁について「考え方は完全に共有している」と述べた。制裁をためらっているのに、考え方を共有していると日本が言っても中国政府には馬耳東風だろう。

 

加藤勝信官房長官は会見で「現行の外為法には人権問題のみを直接、あるいは明示的な理由として制裁を実施する規定はない」と述べ、制裁に後ろ向きの姿勢を示した。ウイグル人への人権侵害に「深刻な懸念」を表明しているにもかかわらず、外為法の法解釈を理由に及び腰になっている。本当に懸念しているのであれば、外為法に頼らずとも、その他の法律、外交行動を用いて、いくらでも制裁できるはずだ。

 

 

2021年3月25日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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