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【主張】岸田首相の続投 安定勢力で成果を挙げよ 対中抑止に本腰を入れる時だ

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政権選択の衆院選で、自民党が単独で安定多数を得た。連立する公明党と合わせ絶対安定多数となり、岸田文雄政権は有権者から信任されたといえる。

 

ただし、解散時と比べ、自民の議席は減少した。政権運営の要である甘利明幹事長は選挙区で敗れ、比例代表で復活したが、岸田首相に辞意を伝えた。

 

岸田首相や自民党は選挙結果を真摯(しんし)に受け止めねばならない。国会で丁寧な議論を重ねていくべきだ。同時に政策遂行で足踏みしてはならないのはもちろんだ。来年夏には参院選がある。公約実現へ働き抜くべきである。

 

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2011年防衛白書

 

コロナへの備え確実に

 

新型コロナウイルス対策は待ったなしの課題である。国内の感染状況は落ち着いているものの、先行きは不透明だ。

 

政府のこれまでの取り組みへの批判が自民の議席減につながった点は否めない。コロナ禍で経済的苦境に陥った人や事業所は少なくない。入院が必要なのに自宅療養を余儀なくされた人は全国で一時約13万5千人にも及んだ。

 

岸田政権は、コロナ病床を第5波のピーク時よりも2割以上増やす方針だ。掛け声倒れになってはいけない。ワクチンの3回目接種へ準備中だが、調達や接種態勢に万全を期すべきだ。経口薬の承認、供給も急がれる。

 

都市封鎖(ロックダウン)などの強力な手立てを、感染症対策の選択肢として日本も持っておくべきだ。岸田首相は慎重姿勢だが、再考すべきである。

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経済では当面、コロナ禍で落ち込んだ景気の回復が最優先課題となる。支援を要する世帯や企業に財政面で万全の措置を講じるのは当然だ。まずは経済対策の具体化を急がなければならない。

 

足元で人流や消費が動き始める中で、対策の規模ばかりを追求しても仕方がない。民需が自律的に回復するよう、政策の実効性や緊急性を吟味してもらいたい。

 

成長と分配の両立で分厚い中間層を築くという、「新しい資本主義」の肉付けも問われる。アベノミクスが失敗したと唱えた立憲民主党などに対し、自民はこの路線を踏襲しつつ、成長の恩恵が大企業や富裕層に偏らないよう、所得再分配重視の姿勢を示した。

 

所得格差の是正には経済全体の賃金水準の底上げが求められる。これは安倍晋三、菅義偉両政権が十分になし得なかった難題だ。一過性のばらまきとはせず、企業の継続的な賃上げを促す道筋を明確にすべきだ。

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外交安全保障は大きな争点にならなかった。4年前の衆院選で北朝鮮の核・ミサイル問題が国難とされたのとは対照的だ。

 

だが、今回衆院選の公示日には北朝鮮が日本海へ向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射した。選挙期間中には中国とロシアの合同艦隊10隻が日本を周回した。この艦隊は伊豆諸島付近でヘリを発艦させる演習を実施し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。日本へのあからさまな威嚇である。

 

公示前勢力の届かなかった立憲民主党の枝野幸男代表

 

早期訪米で日米会談を

 

日本をとりまく安全保障環境は厳しい。台湾危機や北朝鮮による拉致、核・ミサイル問題などへの対応を、与野党はもっと語るべきだった。

 

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立民や共産党などは、安全保障関連法の「違憲部分」廃止を唱えた。集団的自衛権の限定行使容認の道を閉ざすもので、日米同盟を機能不全に陥れる政策だ。この政策の危うさや厳しい国際情勢を、岸田首相や与党は具体的に指摘し、対中抑止や防衛力の強化の必要性を訴えるべきだった。そこに力を入れなかった点は、自民の議席減の理由の一つであろう。

 

岸田政権が、防衛力充実や経済安全保障を推進し、対中抑止を強化しなくては平和は守れない。国民への明快な説明や公明の説得に努めてほしい。首相は31日夜、バイデン大統領と会談するため早期に訪米したい意向を示した。台湾問題をはじめとする対中戦略や日米同盟強化を話し合うべきだ。

 

日本維新の会の松井一郎会長

 

共産などと選挙協力した立民は振るわなかった。基本政策の異なる共産との「閣外協力」路線は、政権への道をかえって閉ざす点にも気づくべきである。与党批判票の受け皿となった日本維新の会は大幅に勢力を伸ばした。憲法改正論議をリードするとともに、現実的な安保政策を推進する行動が期待される。

 

 

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2021年11月1日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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