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【主張】米豪安保枠組み 対中抑止強化を歓迎する

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覇権的な海洋進出を続ける中国に対する抑止力の強化を歓迎したい。

 

インド太平洋地域の安定に向けて、米国、英国、オーストラリアが新たな安全保障の枠組みを創設した。米英は、豪州の原子力潜水艦保有を技術面などで支援する。

 

アフガニスタンから手を引いた米国が安全保障政策の重点を「対中国」に置くリバランス(再均衡)政策である。加藤勝信官房長官が「インド太平洋地域の平和と安全にとって重要だ」と歓迎したのは妥当だ。

 

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3カ国の頭文字を組み合わせた「AUKUS(オーカス)」と名付けられた枠組みについて、バイデン米大統領は演説で「急速に増大する脅威に対し最新の防衛能力を確保するためだ」と語った。

 

米政府高官は「インド太平洋でルールに基づく国際秩序を維持し、平和と安定を推進する」と説明した。米政府が「唯一の競争相手」と位置付ける中国を念頭に置いたのは明らかだ。

 

モリソン豪首相は「核兵器の保有を目指すものではない」と述べた。核搭載の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を積む戦略原潜ではなく、通常兵器を積む攻撃型原潜保有を目指すとみられる。長期間の潜航が可能な原潜を豪州が持てば、南シナ海や太平洋で活動を活発化させる中国海軍に対する強力な抑止力となる。

 

AUKUSは、人工知能(AI)やサイバー、量子テクノロジーでの協力を推進し、安保・国防関連の科学技術や産業基盤、サプライチェーン(供給網)の統合も進める。

 

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日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」を推進する米国は、AUKUSによって、有数の海軍国で国際的な発言力の大きい英国をインド太平洋の安全保障に密接に関与させたい考えだ。英国は、新鋭空母「クイーン・エリザベス」打撃群の派遣などインド太平洋への関与を強めている。豪州は、新型コロナウイルスの起源の調査を中国に要求し、南シナ海などへの中国の覇権主義的振る舞いを批判している。米英との協力で、中国からの圧力に対抗する狙いもある。

 

加藤長官は「同じ志を持つ国々と引き続き緊密に連携したい」とも述べた。英米豪と価値観や対中抑止の課題を共有しているのが日本だ。AUKUSに加わってもおかしくない。近い将来の参加を視野に協力を推進すべきだ。

 

 

2021年9月17日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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