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【主張】聖火リレー 国民と五輪をつなぐ橋に

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東京五輪の聖火リレーは、3月25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」でスタートする。

 

沿道からの祝福で、今年こそ東京・国立競技場の聖火台に無事に火を送り届けたい。

 

新型コロナウイルスの感染が広がった昨年は、スタートの2日前に中止が決まった。コロナ禍に沈静化の兆しが見えない中で迎える今年も、強い向かい風が聖火を待ち受けている。

 

大会組織委員会の森喜朗会長が不適切発言で辞任するなど、歓迎ムードが高まっているとは言い難い。それでも、聖火リレーは国民と五輪をつなぐ数少ないイベントである。859市区町村を巡る121日間の中で、「希望の火」を守りながらトンネルの出口を目指す意識を、国民の間で共有する契機にできないか。

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組織委が公表した聖火リレーの新型コロナ対策は、「3密回避」を基本とした安全の最優先を掲げている。沿道での観覧自粛を求めない代わりに、観客にはマスク着用や、声を出さずに拍手での応援を呼びかける。ランナーは2週間前から会食などを避け、体調管理表の提出を義務付ける。著名人ランナーの応援は、インターネットのライブ中継でも可能という。

 

聖火リレーは日本の「安全・安心」を発信する場であり、感染者を出すことなく火を運ぶことが大切になる。成功のカギは運ぶ人、見守る人、それぞれの心がけにあることを忘れてはならない。

 

島根県知事は現状での大会開催に反対し、リレーの中止意向を示している。聖火ランナーの思いを無視した対応は慎むべきだが、人口の多寡だけで感染リスクを判断できないのも事実だ。組織委は地域の実情に応じ、各都道府県との協議で対策を詰めてほしい。

 

古代五輪で灯(とも)された聖火は、かまどの火に起源を持つ。各家庭のかまどには神が宿るとされ、火のあるところに家運は開けるといわれた。神の宿る清浄な火をより早く運ぶ松明(たいまつ)リレーが、聖火リレーの原形だという。

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折しも先日のびわ湖毎日マラソンで、鈴木健吾が日本人初の2時間4分台で走るという吉報に接した。世界がコロナ禍に苦しむ時代だからこそ、感染を広げずに火を運ぶという前向きな姿が、社会・経済を動かす力になる。逆風下でのスタートになるが、一人一人の力で聖火を守り抜きたい。

 

 

2021年3月2日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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