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中国の人権侵害に「タイミング」を口にするな

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ここしばらく、頭の中で坂本九さんの歌声が流れ続けている。三十数年前、坂本ファンの先輩に教えてもらった楽曲『ステキなタイミング』がそれである。政府高官らが中国に対する政策や方針について表明することについて、「タイミング」が問題だと口をそろえるので思い出した。

 

「タイミングに関しては、諸般の事情を総合的に勘案した結果、本日の発表となった」。松野博一官房長官は12月24日の記者会見でようやく、2月の北京冬季五輪に政府関係者を派遣しないと表明した。12月6日に発表した米国に遅れること18日である。

 

この曲で坂本さんは、この世で一番肝心なのはタイミングだと繰り返す。確かに「物には時節」というが、ここまで引っ張った理由が分からない。この間、岸田文雄内閣は党内外から早く表明しろと突き上げをくらい、国民には弱腰の印象を与えた。勘案した「諸般の事情」とは何だったのか。

 

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中国の人権問題は少数民族弾圧だけではない。12月23日の産経新聞国際面には怖い記事が載っていた。「南京事件の犠牲者が30万人だというデータはない」と発言した上海の女性教師が除籍された件で、教師への支持を表明した別の女性まで拘束されたのだという。

 

もとより南京事件犠牲者30万人説は当時、20万人かそこらだった南京の人口を上回るのだから荒唐無稽そのものである。にもかかわらず、それを言えば処分が待っている。中国の人権侵害は自国民全体を対象に、日常的に行われている。

 

現在進行形の人権侵害への態度表明に、タイミングを持ち出すのは人権軽視とみられても仕方ない。何より日中関係の歴史をみると、中国は日本が配慮を示すかどうかではなく、国際情勢など専ら自己都合で対日姿勢を変える。

 

 

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2021年12月25日付産経新聞【産経抄】を転載しています

 

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