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中国の言うことを信じるな

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中国・武漢発の新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。3月末現在、イタリアの死者は既に1万人を超えた。米国では1日に2万人のペースで感染者が増えている。しかし、不思議なことに、感染が最初に起き、拡大した中国では、新たな感染者が少なく、感染した人々も「9割以上が完治した」と政府が発表している。

 

日本のメディアの中には、対策で成功した中国の経験を学ぶべきだといった論調も浮上している。しかし、世界中の国々が必死に努力している中、中国だけが感染者の数を劇的に抑えられるのは、どう考えても不自然だ。

 

 

外国メディアに現地取材許さず

 

中国国内の感染者数はすべて、官製メディアを通じて発表されている。北京には、世界中のメディアから派遣された数百人の外国人記者がいるが、中国政府は「感染防止」の名目で記者たちを北京に足止めし、新型コロナウイルスによる感染が確認された昨年末から、武漢のある湖北省など被災地での外国人記者の直接取材を不可能にしている。

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そのうえで、真相を暴こうとする外国メディアに大きな圧力を加えている。中国政府は3月中旬、米紙ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストの記者に対し、10日以内に記者証を返還するよう求め、事実上の国外退去を命じた。

 

米政府が国内に駐在する中国メディアスタッフの人数を制限したことに対する「報復措置」と発表されているが、コロナウイルスの感染が中国国内で拡大していることを隠すため、「いつも言うことを聞かない」米国人記者を追い出したのではないかともいわれている。

 

 

知識人が相次ぎ行方不明に

 

同時に、中国政府は3月1日から、インターネットの管理をさらに強化し、政府発表と内容の異なる書き込みを徹底的に削除した。また、コロナ問題の対応に絡み、政府に批判的なジャーナリストや知識人を次々と拘束している。1月に閉鎖された武漢市に潜入し、インターネットを通じて被災地の状況を報告していた弁護士の陳秋実氏は失踪してから2カ月を超え、元大学教師の許志永氏や企業家の任志強氏も行方が分からなくなっている。

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国内で言論弾圧を徹底して行った上で、国際社会に対し「私たちは感染症に打ち勝った」と宣言している中国。その中国が発表した数字の真偽は今のところ誰も検証できない。中国政府の言うことを鵜呑みにするのは危険だ。(了)

 

筆者:矢板明夫(産経新聞台北支局長)

 

 

国家基本問題研究所(JINF)「今週の直言」第668回・特別版(2020年4月1日付)を転載しています。

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