fbpx
Connect with us
Advertisement

国防の最前線 ― 経済安全保障

Published

on

~~

 

政府は目下開催中の第204回通常国会で「重要土地等調査法案」の可決成立を目指している。この法案は、①重要防衛施設、②国境線の起点となる離島、③原子力発電所等―重要インフラ、周辺の土地利用において安全保障上のリスクとなるものを規制することを目指す。これら重要土地の近接地が安全保障上「リスク」と見なされる者に買収される事案が多発していることを受けての対応だ。有事の際に国内から瓦解することは回避しなければならない。本件の担当政務官として早期成立を目指して全力を尽くす所存だ。

 

先般、文部科学省は2021年度より科学研究費助成制度(科研費)申請者に外国の研究資金を受けている場合の申告を義務付ける旨を発表した。軍事転用可能なものを含む先端技術の第三国への漏洩が強く懸念される事例に対応するものだ。

 

中国の「千人計画」に44人の日本人研究者が参画しており、中には日本政府から数十億円にのぼる支援を受けていた者が中国の軍事研究の主要ポストに就いていた事案もあった。日本の政府系研究機関や国公立大学の研究室には多数の外国人が在籍しており、情報漏洩対策が不十分との指摘も少なくない。今後は先進国の常識であるセキュリティ・クリアランスの議論も不可欠だ。国民の血税を注ぎ込んだ研究成果が日本国民に牙を剥くような事だけは断じて許してはならない。

 

Advertisement

また、コロナ禍にあって企業の業績が悪化し、外資によるM&Aが加速する可能性もある。令和2年4月の外為法改正では、上場企業の株式取得の管理を強化した。次は企業の大小に関わらず日本にとって重要な製品や技術を提供する企業も対象に加える必要がある。

 

令和2年4月、安倍総理の命で国家安全保障局に「経済班」が新設された。現在は菅義偉総理が経済安全保障の対策強化を急ピッチで進めている。一方、経済活動を通じた、目に見えない安全保障上のリスクは着実に積み上がっている。苛烈で果てしない戦いは続く。

 

我々の経済活動は、願わくば国家の発展と国民の豊かさに繋がって欲しい。その経済活動は、その研究は、日本の利益に反していないか?国民のみなさまと共に「国家安全保障の意識」を醸成して行きたい。

 

自由で開かれた国でありながら安全保障上の危機には毅然と対処する、日本はそうした凛とした国家でありたい。

 

Advertisement

筆者:和田義明(自民党国防部会副部会長)

和田よしあき オフィシャルサイト

 

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Advertisement
Continue Reading
Click to comment

You must be logged in to post a comment Login

Leave a Reply

Our Partners