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埼玉発 〝新生西武園〟 昭和テーマが好評 USJ再建の立役者とタッグ

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西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)が大規模改装を終え5月19日に開業した。コンセプトに据える高度成長期の「昭和の町並み」や、怪獣映画「ゴジラ」をテーマにした世界初のアトラクションが話題を呼び、想定以上の来園者を集めている。改装でタッグを組んだのは大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復に導いた森岡毅氏が率いるマーケティング会社の刀(同市)だ。

 

 

路面電車が鎮座

 

西武鉄道山口線の西武園ゆうえんち駅。駅を降りるとすぐに〝新生西武園〟の幕が開ける。路面電車がエントランスに鎮座する姿にいきなり「昭和」に引き込まれる。

 

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遊園地に入ると眼前に広がるのは昭和の商店街を再現した「夕日の丘商店街」。八百屋がバナナのたたき売りをしたり警察官が泥棒を追いかけたりと、熱のこもったライブパフォーマンスが〝昭和感〟を一気に盛り上げる。

 

 

さらに、当時の物価を再現した園内通貨「西武園通貨」を使ってナポリタンを食べたり、お土産を買ったりといった体験も。来園者を楽しませる仕掛けが満載だ。

 

昭和を代表する大怪獣、ゴジラのアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド」も大きな目玉だ。小高い丘に建つ映画館を舞台に、特殊装甲車に乗り込みゴジラやキングギドラなどの怪獣同士の激闘をかいくぐって逃げるスリリングな体験ができるのが売りだ。

 

リニューアル後の滑り出しは上々で「ターゲットのファミリー層やテーマパーク好きの若い女性を中心に開業2週間で来場者数は想定を超えている」(担当者)という。

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38万人まで落ち込み

 

西武園ゆうえんちの開業は昭和25年。大観覧車やジェットコースターなどのアトラクションを積極的に導入し、63年度には約194万人が訪れる人気遊園地となった。しかし、レジャーの多様化に施設の老朽化も進み、令和元年度の来園者は約38万人にまで落ち込んだ。

 

そんな中、西武ホールディングス(HD)は開業70年に合わせ、約100億円をかけた大規模改装を決定。パートナーに選んだのは森岡氏が立ち上げた刀だった。

 

森岡氏といえば、不振にあえぐUSJの再建を主導した凄腕のマーケター。人気映画「ハリー・ポッター」の新エリアや後ろ向きに乗るジェットコースターなど新機軸の企画を大胆に取り入れ、平成22年度に800万人を割っていた来園者を27年度には約1390万人にまで引き上げた。

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西武HDの後藤高志社長は起用について「われわれには絶叫マシンを入れるぐらいの発想しかない。森岡氏にはマーケティングへの知見や情熱があり、任せたいと思った」と語っている。

 

 

コロナ禍の「幸福感」

 

森岡氏が考える再生は「集客が厳しい施設に共通するのは『顔』がないこと。『西武園ゆうえんちに来たら幸せになれる』という場所にしたい」。かくしてテーマは昭和の「心あたたまる幸福感」となり〝森岡流〟が始動した。

 

しかし懸念は新型コロナウイルスだ。後藤社長は感染拡大で「人々がこれまで以上に心のふれあいを求めるようになった」として、西武園ゆうえんちで幸福感を持ってほしいとするが、集客と感染拡大防止の両立は容易ではない。USJのようなV字回復の再来はあるのか注目される。

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筆者:中村智隆(産経新聞)

 

 

【刀】USJの運営会社でマーケティング本部長などを務め、再建を主導した森岡毅氏が平成29年に設立したマーケティング会社。高等数学を用いた独自の戦略理論などのマーケティングノウハウを通じて、企業のブランドを構築することを目指す。USJ時代に果たせなかった沖縄でのテーマパーク構想にも着手し、話題を集めている。

 

 

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