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差別主義的な英タイムズ紙が英軍ラグビーチームとラグビーW杯開催国の日本を攻撃

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私が見た中でも、日本について最も露骨な人種差別的な記事のひとつが9月18日、英紙タイムズに掲載された。見出しは、「英軍ラグビーチームが日本の戦争犯罪者のための神社を訪れる」である。長年、タイムズ日本特派員を務めているリチャード・ロイド・パリーが書いた記事である。

 

靖国神社が「戦争犯罪者のため」のものであるという主張はまったくのインチキだ。多くのツイッターユーザーがこの馬鹿げた主張を発見し、靖国神社は1869年、戊辰戦争(1868-1869)で亡くなった人々を追悼して建立されたと指摘した。まだ「戦争犯罪」という概念すら存在しなかった時代のことである。

 

神社の霊璽簿(しばしば主張される墓地ではない)に「A級戦犯」14人の日本人の名前が含まれているのは事実だが、これら14人は神社に登録されている魂の0.0006%にすぎない。

 

しかも、霊璽簿には、日本人および外国人、女性、民間人が含まれる。欧州人の名前もある。

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ブルームバーグのギアロイド・レイディはツイッターで、「『戦争犯罪人のための神社』の見出しは、救いようのないほど誤っており、無意味なものだ。タイムズの読者に殺人者がいたら、『殺人者のための新聞』と呼ぶだろうか?」と指摘した。

 

9月18日の記事によると、ラグビーチームは「駐日英国大使ポール・マデンに叱責された」、そして簡潔に、「神社の参拝を避けるよう注意された」。

 

産経新聞を含むさまざまな日本の新聞は、この点に関するタイムズの記事を報じた。この記事は、今風に言うとフェイク・ニュースだった。

 

異例なことに、駐日英国大使館のメディア、コミュニケーション、マーケティング担当であるエマ・ヒッキンボサムは、日本のニュースメディアに対しタイムズの主張を明確に否定した。

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「英国大使はこれまでに、神社を訪問しないよう誰かに指示したことはありません。実際、大使は今朝、英国の国際通商大臣の明治神宮訪問に同行しましたし、これまでも多くの英国閣僚と神社を訪れてきました。英国は日本の伝統と文化を尊重しています。私たちは、ラグビーワールドカップのために訪日する多くの英国人観光客が、神社を含む日本文化の多様な面に触れることを期待しています。英国政府は靖国神社参拝に関して様々な考えがあることを理解しています」

 

この流れで言えば、明治神宮自体が天皇を神とする概念の一部だとして、問題視する人たちがおり、大使が明治神宮を訪問したことが反発を招く可能性がないとは言えない。

 

 

自国民族優越主義(ジンゴイズム)と嘘

 

記事は続けて、靖国神社が「ジンゴイズムと嘘の神社であり、日本の植民地支配を経験した韓国人と中国人に戦慄を与える攻撃的なナショナリズムの培養器である」と述べている。

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ここで、英国のジンゴイズムと嘘をみてみよう。

 

私は靖国神社と遊就館を何度も、ごく最近では数週間前に訪れた。第一次大戦と第二次大戦の間の日本社会に特化した歴史家として、その期間についての展示物の日本語の説明を特に注意深く読んだ。

 

嘘はなかった。英国の5つの帝国戦争博物館を含む一般的な戦争博物館と同様に、物語は嘘ではなく省略によって歪められている。

 

英国の博物館は帝国主義を名前に冠しているが、遊就館の重点は日本のために死んだ個人の犠牲にあり、その中には日本人ではない人も含まれている。

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まやかしは英国的

 

遊就館が「慰安婦」や731部隊などの問題に少ししか触れなかったり無視したりするように、英国帝国戦争博物館は英国の黒歴史を探す場所ではない。

 

明確に興味を持っている場合を除き、小さな展示に気づくことはほとんどない。英国は1945年から1989年の間、植民地ケニアの先住民に対して極めて”不快”な戦争を繰り広げた。この歴史は2016年まで隠されていた。

 

同様に、アイルランドには、英国の残忍な植民地支配との戦いで亡くなった人々への記念碑が数多くある。よく知られているもののひとつは、コーク郡のコーク郡監獄であり、キンモンスの名前を北米に持ち込んだ父方の祖先の出発点だ。

 

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アイルランドの独立戦争(1919-1922)にも今では残虐行為と見なされる英国の行動が関係しているにもかかわらず、帝国戦争博物館の扱いは極めて小さい。

 
 

犯罪者は誰で、罪状は何なのか

 

「A級戦犯」は政治犯罪で起訴された。

 

最も注目すべきは、「攻撃の戦争を行うための共通の計画または陰謀の策定または実行における指導者、主催者、扇動者、共犯者」として起訴されたことだ。「A級戦犯」は実地での残虐行為または捕虜虐待の責任を問われたわけではない。これらのケースは、B級戦犯とC級戦犯とは別々の裁判で処理された。

 

東京裁判(極東国際軍事法廷)は「勝者の正義」に基づいており、ほとんどの有罪判決と裁判自体の根拠が薄いことは、1971年、米国の左翼系学者リチャード・ミニアの『勝者の正義:東京戦争犯罪裁判』(プリンストン大学出版)によって広められた。

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ミニアは、1943年のベンガル飢饉を含む、インドにおける英国帝国主義に非常に精通したベンガル人ラダ・ビノード・パール(1886-1967)の大規模な反対意見に強く関心を持った。飢饉では200万から300万人のベンガル人が命を落とした。ウィンストン・チャーチルによって承認された政策によるものだ。

 

一部の英国人は、これによりチャーチルを未調査の戦争犯罪者とみなしている。他には、ドレスデンの不要な爆撃を担当したアーサー・「ボンバー」・ハリス (1892-1984)や、イラク侵攻でジョージ・W・ブッシュ・ジュニアと共謀したトニー・ブレアがいる。

 

英国の著名な軍事的および政治的指導者―ブレアの場合、英国国民の多くが戦争犯罪者であると考えている―を知ることは、日本のケースの展望に重要だ。

 
 

悪意か、愚かさか

 

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ハンロンの剃刀(英:Hanlon’s razor)は、「愚かさによって十分に説明できるものを悪意のせいにしてはならない 」という冷笑的な比喩表現だ。

 

日本に関する多くの外国の書物では、事実確認に際して明らかに愚鈍や不精が見受けられるが、今回の場合、ハンロンの剃刀は悪意を示している。タイムズは英国の主要新聞であり、ルパート・マードックが築いたメディア帝国の一部だ。この記事の著者は1995年から日本について執筆しているオックスフォードの卒業生だ。このような露骨に偏った記事が故意以外のものであると見るのは難しい。

 

さらに、タイムズが非常に偏った記事を掲載するのはこれが初めてではなく、また、この記事の著者が疑わしい記事を書いたのも初めてではない。

 

タイムズで現在、紙面に広告を掲載している、または広告掲載を考えている日本関連の企業などは、より友好的な広告の掲載先を探すべきだろう。

 

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著者:アール・キンモンス

 

 

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