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快進撃止まらぬ「鬼滅の刃」 「手書きの進化」味わう初原画展

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「鬼滅の刃」の世界観を、キャラクターが描かれた大型パネルなどの展示で表現している(飯田英男撮影)©吾峠呼世晴/集英社

 

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連載終了後も快進撃が続く漫画「鬼滅の刃」の作者、吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんによる同作初の原画展が、東京都港区の森アーツセンターギャラリーで開催されている。デジタル作画が主流になっている現在の漫画界で、吾峠さんは原稿用紙にペンで直接手描きする昔ながらの手法で同作を描き切った。原画からは吾峠さんが描く唯一無二の絵の魅力と、線の進化を感じ取れる。

 

作品は人食い鬼がすむ大正時代の日本が舞台。鬼に家族を殺された主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼と化した妹の禰豆子(ねずこ)と敵討ちの旅に出る―という筋書きだ。

 

本展は主に5つのゾーンに分かれており、炭治郎の旅立ちから仲間との出会い、先輩剣士である〝柱〟との交流、敵である鬼たちとの交錯、そして最終決戦までの原画450枚以上が展示されている。天狗(てんぐ)の面で顔を隠した炭治郎の師匠、鱗滝(うろこだき)左近次の素顔を描いた作品など、初公開のイラスト9枚も披露される。

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セリフの良さや構図の巧みさに加え、原画からは隅々からほとばしる力強さを感じる。本展の原画選定は吾峠さん自身が監修を担当。炭治郎をはじめ各キャラクターの名言・名場面を振り返るパネル展示も見ごたえがある。

 

連載が進むにつれ描き込みが緻密(ちみつ)になり、線が〝説得力〟を増していくのも分かる。体力・精神力の両面が要求される週刊連載の極限の状況で、短期間に線が磨かれ、進化していく様子が見て取れるのだ。特に最終決戦のくだりは鬼気迫るものを感じる。キャラクターの男性は力強く、女性はたおやかな線で描かれる傾向があり、修正の跡が少ない点も印象的だ。

 

単行本は昨年5月の連載終了後も売れ続け、累計発行部数(電子版含む)は1億5千万部を突破。同10月公開のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入は400億円を超え、日本映画歴代1位を記録した。現在はテレビアニメ版「無限列車編」がフジテレビなどで放送中で、続編の「遊郭編」も12月に控える。関連グッズは今も売れ続けており、快進撃を続けている。

 

人の想いは、不滅の絆―。これは作品の要所で登場し、本展のキービジュアルにも記されたメッセージだ。炭治郎は家族や仲間、先輩の想いを胸に戦い続ける。本展を見れば、初めて作品に触れたときの驚きや感動が蘇(よみがえ)るだろう。

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「『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」は12月12日まで開催。会期中無休。一般2千円。チケットは日時指定制で、ローソンチケットで購入可能(会場での販売はなし)。問い合わせはハローダイヤル050・5542・8600。

 

大阪での巡回展は来年7月14日~9月4日、グランフロント大阪(大阪市北区)で開催予定。

 

 

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■吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)
平成25年、読み切り作品の「過狩り狩り」が週刊少年ジャンプ(集英社)の月例賞「第70回JUMPトレジャー新人漫画賞」で佳作に。28~令和2年、連載デビュー作「鬼滅の刃」を週刊少年ジャンプで連載。同作で日本漫画家協会賞大賞、手塚治虫文化賞(特別賞)などを受賞。

 

 

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