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韓国か親中か…WTO事務局長選で日本外交失態 究極の選択迫られる

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世界貿易機関(WTO)の事務局長選で、日本が究極の選択を迫られている。10月8日発表の最終候補は韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長と、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相の女性候補2人。日本と関係悪化が続く韓国の候補と、国際協調に背を向けてきた中国が推すナイジェリアの候補という顔ぶれだ。候補者がこの2人にしぼられるまで手を打てなかったことは日本外交の失態ともいえ、今後も難しい対応となりそうだ。

 

「米中の対立など難しい局面で、WTOをまとめられるだけの調整力のあるリーダーが新事務局長に望ましいというスタンスはずっと変わらない」

 

政府関係者は、こう言い切る。ただ、2人のいずれが選ばれても日本にとっては一筋縄ではいかない相手との思いがにじみ出る。

 

そもそも、本来ならばあと1年任期が残っていたロベルト・アゼベド事務局長が8月に辞任し、急遽(きゅうきょ)、事務局長選が始まったことから誤算が始まった。歴代の事務局長の顔ぶれから、これまで選出がなかったアフリカ候補が有利とされていたことに加え、世界的にジェンダーフリーの潮流が支持される中で、女性候補に注目が集まる構図となっていた。

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こうした中で韓国は女性の兪氏を擁立して外交攻勢をかけた。一方、日本は日本人候補や、日本が推す有力候補を擁立できず、兪氏がEUを中心に支持を集めることを読めなかった。

 

貿易政策に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「かつて潘基文氏が国連事務総長になったように今回も韓国の進め方のうまさが出た。日本は政府として、事務局長候補にすぐに手を挙げられる人材を育ててこなかったつけが来た」と話す。

 

また山下氏は「今後WTOのルール作りの場面や事務局がオリジナルのペーパーを出す際などに事務局長が影響力を行使する可能性は否めない」とも指摘。仮に兪氏がトップになればアジアでの日本の力不足を世界に露呈しかねない。

 

政府関係者は新事務局長誕生後について、「新型コロナウイルスの影響で来年に延期されたWTO閣僚会議までに、電子商取引のルールに関する交渉を大きく前進させることが焦点」とする。WTO改革で力をみせたい日本への影響を見極めながら選出の行方を見守ることになりそうだ。

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筆者:那須慎一(産経新聞)

 

 

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