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中国軍の実態暴く司令官寄稿

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4月20日、中国軍機関紙の解放軍報は東部戦区第73集団軍の軍長(司令官)である丁来富氏の寄稿を掲載した。「軍隊は戦争に備えるものだ」というタイトルである。

 

第73集団軍は福建省に配置され、「対台湾最前線」の主力部隊であり、その司令官である丁軍長の「戦争準備」寄稿は大変注目されている。

 

寄稿はまず、当たり前の大前提として軍というのは常に戦争に備えるべきものだと論じてから、解放軍の一部の「戦争準備」の実態について次のように述べている。

 

「一部の部隊では軍事訓練や戦争準備にあたっての緊張感がなく、実際の行動がなかなか伴わない。その背後にあるのは〝平和病〟というものである」

 

「一部の将校たちは〝平和将校〟であることに慣れていて、心は戦場にあらず、事務的仕事や文書の処理、あるいは各種会議の開催に没頭して時間を費やしている」

 

「彼ら(一部将校)は口先では『時が来たら戦い、戦えば勝つ』と豪語しながら、心の中では『戦争は起きやしない、たとえ起きたとしても自分たちの出番にはならない』と思って日々を送っている」

 

寄稿はこのように、中国軍の「一部」におけるずさんな「戦争準備」の実態を思い切って暴露してから、「このままでは、わが軍は有名無実の飾り物となってしまうのではないか」と危機感をあらわにしているのである。

 

China’s People’s Liberation Army (PLA) navy soldiers on their vehicles carrying anti-ship missiles roll to Tiananmen Square during the military parade in Beijing, China September 3, 2015. REUTERS/Damir Sagolj

 

中国軍は普段、厚いベールに覆われており、その内実はよく知られていない。しかし最前線の現地司令官の暴露によって、その実態の一部が明るみに出たのである。

 

丁氏の寄稿はもちろん、何らかの問題点を暴くときの中国共産党流の慣用語として「一部」という言葉を多用し、「それはあくまでも一部の現象である」と強調している。

 

しかし、集団軍の司令官が危機感を持って、一般に知られていない軍の内部問題を公にしたこと自体が問題の深刻さを示している。

 

彼の指摘した問題点は決して一部限定の話ではなく、かなりの広がりを持つものであろう。

 

つまり、今の中国軍将校においては、日本でいうところの「平和ボケ」が蔓延(まんえん)していて、軍人でありながら「戦争に備え、いざというときには戦おう」とするような意識がかなり希薄化していることが分かったのである。

 

丁氏の寄稿は当然、彼自身が司令官を務める第73集団軍の状況を踏まえて書いたもののはずだが、「対台湾最前線」の部隊がこのありさまであれば、中国軍全体のずさんな実態は推して知るべしであろう。

 

実は、中国軍最高司令官の習近平国家主席は近年、まさに台湾侵攻を念頭に「戦争の準備」を頻繁に軍に指示したり、呼びかけたりしている。「戦争に備えて実戦の訓練を急ごう」というのは、習主席が軍を視察する度に必ず出す定番の「重要指示」となっている。

 

それでも、軍の中で肝心の「戦争準備」をお粗末にする風潮が広がっているのであれば、それは、中国軍の習主席に対する面従腹背と心離れを示している。同時に、腐敗などの伝統問題を抱える中国軍自身のだらしなさがその根底にあるのであろう。

 

ウクライナへの侵略戦争によって、「強大」だと思われたロシア軍の意外なもろさが露呈される結果となったが、「張り子の虎」のロシア軍と同様、今の中国軍もさまざまな問題を抱えている。

 

今後、中国からの軍事脅威を直視して大いに警戒しながらも、中国軍の実態と真価を、より客観的に見極めていくべきであろう。

 

筆者:石平(中国問題評論家)

 

 

2022年5月12日付産経新聞【石平のChina Watch】を転載しています

 

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