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「フェアレディZプロトタイプ」を公開 日産、「復活」の象徴期待

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日産自動車は9月16日、「フェアレディZプロトタイプ」をオンライン中継で世界初公開した。初代など歴代のZを意識しつつ、現代風にアレンジしたデザインに、V型6気筒ツインターボエンジンを搭載した。日産はこのプロトタイプをもとに、市販モデルを開発し、落ち込んだ業績を回復させる原動力としたい考えだ。

 

Rear view of Nissan’s new sports car Fairlady Z Prototype

 

プロトタイプはZの特徴である、なだらかに傾斜する後部のデザインを継承。ヘッドランプのデザインは初代の「S30型」を彷彿とさせるものにしながら、発光ダイオード(LED)を採用した。ボディカラーは黄色で、マニュアルトランスミッションを搭載している。

 

内田誠社長は、「Zは日産の魂そのもので、構造改革の重要なモデルでもある」と話した。

 

 

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伝統と革新で“みんなのスポーツカー”

 

「貴婦人」という言葉に洗練された美しさ、アルファベット最後の文字に究極の意味を重ねたフェアレディZは、昭和44年に誕生。現行の6代目は平成20年の発売後は部分改良や一部改良にとどまり、7代目が出れば実に10年以上ぶりの全面改良となる。内田氏は自身が最初に買った車と明かした上で「ファンである私が発表できることを誇りに思う。革新の伝統を受け継ぐ」と饒舌に語った。

 

今回の黄色い車体は試作車ながら「デザインはほぼ完成」(内田氏)し、現在は性能をエンジニアらが磨き上げている段階という。

 

デザインは「斬新で懐かしい」(担当者)仕上がり。エンジンが載るボンネットが長く躍動感がある「ロングノーズ・ショートデッキ」形状をはじめとした歴代のモチーフは継承。一方で、未来的な印象のランプやフルデジタル表示のメーターなどの最新技術も取り入れた。

 

 

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初代は、昭和27年に限定販売ながら当時日本初のスポーツカーを世に出した技術を元に開発。53年までの約10年間で米国を中心に約52万台販売し、スポーツカーの単一型式では世界最多レベルとなった。その理由を内田氏は「世界のスポーツカーの常識を覆したため」と表現する。

 

具体的には、加速性やデザインなどスポーツカー性能を維持しつつ、現在の価値で350万~400万円程度という手ごろな価格を実現。一方でエンジン配置などを工夫し、走り一辺倒の従来車両になかった荷室空間を作ったことで、買い物や旅行にも使える「オールマイティな魅力の“みんなのスポーツカー”を実現させた」と、日産関係者は解説する。そのコンセプトも継承されているという。

 

 

日産は現在、元会長のカルロス・ゴーン被告が進めた台数拡大路線の歪みなどから約6700億円の最終赤字となり、新型コロナウイルス禍もあって販売台数が落ち込む状況。電気自動車などの次世代技術に注力しつつ、量販商品ではないが車本来の「走る楽しさ」を伝えるZを、日産復活の象徴としたい狙いだ。

 

筆者:今村義丈(産経新聞)

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