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日米仏で初の離島上陸訓練 5月、対中包囲網を強化・拡大

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自衛隊と米軍、フランス軍が5月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することが12月5日、分かった。日米仏の艦艇と陸上部隊が結集し、南西方面の無人島で着上陸訓練を行う。東シナ海と南シナ海で高圧的な海洋進出を強める中国の面前で牽制(けんせい)のメッセージを発信する訓練に欧州の仏軍も加わり、対中包囲網の強化と拡大を示す狙いがある。

 

仏海軍は士官候補生を乗せたヘリコプター搭載型水陸両用艦とフリゲート艦を派遣する練習艦隊ジャンヌ・ダルクで来年5月に3度目の日本寄港を計画。平成27、29両年は佐世保港(長崎県)に寄港している。

 

27年の寄港時は5月に日米仏の枠組みで初めて日本で共同訓練を行い、九州西方海域で海自と米仏両海軍の艦艇が航空機の相互発着艦の訓練をしている。29年5月は陸自と英軍も参加し、日本周辺海空域で偵察用ボートの発進・収容訓練などを実施した。

 

5月の共同訓練は名目として人道支援・災害救援を掲げつつ、無人島に航空機での着上陸や水陸両用車とボートによる上陸を行い、内容は離島防衛・奪回作戦と共通する項目が多い。東シナ海の無人島で着上陸訓練を実施すれば、欧州の仏軍も加わる形で尖閣諸島奪取を狙う中国を牽制する強いメッセージを発信できる効果がある。海自の輸送艦と陸自の離島奪還部隊の水陸機動団、米海軍艦艇と海兵隊、仏海軍艦艇と仏領ポリネシア駐留の陸軍部隊が参加する見通しだ。

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防衛省では無人島は使わず、水陸機動団を置く相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県)や艦艇を拠点にした訓練に縮小する案もある。

 

日本政府は仏軍との安全保障協力強化を重視する。米英豪とカナダ、ニュージーランドの英語圏5カ国でつくる機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」に日仏を加えた+(プラス)2の枠組みと位置づける。

 

仏軍は北朝鮮が海上で積み荷を移し替える瀬取りで密輸入を行うことを監視する活動に参加している。監視活動には日本のほかにファイブアイズも参加し、プラス2が実現しており、日本政府はこのプラス2の枠組みを対中牽制にも拡大する構えだ。

 

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仏海軍参謀総長「日米豪印はパートナー」

 

11月29日から12月1日まで訪日したフランス海軍トップのピエール・ヴァンディエ参謀総長(53)が産経新聞の単独インタビューに応じた。中国の脅威をにらんだ日米豪印4カ国の連携枠組み「QUAD(クアッド=英語で4の意味)」との共同訓練に参加すると述べ、インド太平洋地域でクアッドと連携を強化する方針を明らかにした。

 

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-仏軍事省が昨年公表したインド太平洋国防戦略は中国に警戒感を示した

 

フランスは(南太平洋の)ニューカレドニア、仏領ポリネシアに領土を有し、駐留部隊もあり、インド太平洋国家は近隣国だ。駐留の目的はフランスのプレゼンス(存在感)と排他的経済水域の安全を守ることだ。

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-日米仏の共同訓練を日本で行う計画がある

 

2021年5月に無人島で実施する予定だ。訓練は人道支援・災害救援が中心だが、一環で水陸両用訓練も行う。ポリネシア駐留の陸軍部隊も参加する。フランスの存在感をこの地域にアピールでき、日仏協力でメッセージを発信できる。

 

-そのメッセージとは、軍の訓練や活動を通じて発信する戦略的コミュニケーションとしてどこに向けるものか

 

中国に対するメッセージだ。多国間の存在感をパートナーと示し、航行の自由(の重要性)などをメッセージとして伝える。パートナー(になるの)は日米豪印で、国際法の順守の重要性も一緒に訴えたい。

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-具体的に日米豪印との連携はどう強化するか

 

(訪日中に)防衛相と海上幕僚長に日米豪印のクアッドが実施している訓練に仏軍が参加する意思があると伝えた。

 

-インド太平洋地域で他の欧州諸国との連携は

 

英独も存在感を示す努力をしており、英国とはこの地域に関する構想は認識が一致している。先日、英海軍参謀総長からこの地域に来年、空母を派遣する計画を聞いた。

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聞き手:半沢尚久(産経新聞)

 

 

2020年12月5日付産経新聞に掲載された記事を転載しています

 

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