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日本で広がる舞台芸術「こころの劇場」の輪

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舞台を演じた俳優と観劇した子供たちが帰り際に笑顔でハイタッチ-。終演時におなじみとなった光景だ。観客がすべて小学生の子供たちという一風変わった舞台芸術「こころの劇場」プロジェクトがスタートして今年で12年目。舞台は、親たちや企業も巻き込んで広がっている。

 

「こころの劇場」は、日本の演劇界を代表する一人、浅利慶太氏の呼びかけで2008年にスタートした演劇による教育サポート活動だ。浅利氏らが1953年に創立した演劇集団、劇団四季は発足当初は、ストレートプレイの劇団であったが、1970年代からブロードウェイやロンドンミュージカル作品に比重を移し、日本人の感性を変えたと言っても過言ではない。

 

その劇団四季が全面的に協力する子供たちのための劇場は、浅利氏が2018年に亡くなった後も、「生命の大切さ」、「人を思いやる心」、「信じあう喜び」を子供たちに伝え、北海道の離島から沖縄の島々まで、日本の180都市で444公演し、今年は総計56万人の子供たちが観劇する規模になっている。

 

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「ライオンキング」などのロングランのミュージカルは修学旅行生が東京で観劇する作品として有名だが、劇団四季の専務取締役、越智幸紀氏によると、「こころの劇場」は、劇場の無い小さな町にも俳優が訪れ子供達と触れ合い、大きな感動を各地で呼び起こしている。

 

引率の先生からは「教壇から何度話しても伝わりにくいメッセージが、たった一回の観劇で子供たちの心に届きます。凄い効果です」との声もあるという。

 

ユニークな活動に各界から大きな評価を受け、趣旨に賛同した企業や団体はいまや220以上。さらに、賛同企業の社員・従業員たちがボランティアとして活動を支援していることが広がりを創り出す。参加した大人たちも、盛り上がる子供たちの姿を見て、自分の会社は良い事をやっていると誇りに思うのだそうだ。

 

子供の情操教育にミュージカルを活用するという手法が、同時に周囲の大人を巻き込み、プラスの効果をもたらした。子供と大人がともに創り上げる新しいエンターテインメントと言えるかもしれない。これもまた、大変嬉しい事ではないだろうか。

 

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筆者:渡辺幸裕(ギリークラブ代表)

 

 

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